4日、自動気象観測装置を設置する徳慶欧珠さん(左)。(チョモランマベースキャンプ=新華社配信/索朗多吉)
【新華社チョモランマベースキャンプ5月10日】チョモランマ山頂付近では現在、標高8800メートル以上の地点に自動気象観測所を設置し、高精度レーダーで山頂エリアの氷雪の厚さを測定する科学調査「ピークミッション2022」が展開されている。
調査チームのリーダーで5回目の登頂となる徳慶欧珠(デチェンオウチュ)さんには、隊員のケアや安全確保に加え、困難な研究課題の達成が求められた。
観測装置は重さ約50キロで、七つの部分に分かれており、全て隊員が運搬、設置する。登頂当日、標高8300メートル以上では積雪が多く、一歩一歩が体力を大きく消耗させた。通常なら4~5時間で踏破できる距離に9時間近くかかったという。
設置予定場所に着くと、隊員らは何度も練習した手順で支柱を取り付け、機材を設置。約1時間後には超高所用の気象観測装置が露出した岩に固定された。徳慶欧珠さんはさらに登り続け、山頂で13人のメンバーと合流、雲を背に手を開いて「5」を示し、自らの5回目の登頂を祝い記念撮影した。
山頂で積雪深度のレーダー測定と雪氷サンプルの採取を終えた隊員らは、翌日にチョモランマベースキャンプまで下山。ベテラン隊員で、新たなリーダーとなった徳慶欧珠さんは役割を全うした。