コーヒーの実を摘む雲南省普洱市思茅区南屏鎮大開河村の村民。(2月23日撮影、昆明=新華社記者/陳欣波)
【新華社普洱3月28日】中国古代の茶と馬の交易路「茶馬古道」や野生の古茶樹、普洱(プーアル)茶で名を馳せる雲南省普洱(ふじ)市はここ数年、国内で作付面積が最も大きく、生産量が最も多いコーヒー豆の生産地となっている。同市の熱帯エリアの広さ、十分な降水量、良好な生態環境はコーヒー栽培に適した「黄金地帯」といえる。
毎年11月から翌3月末まで、実をたわわに付けたコーヒー農園が山地の美しい風景となり、コーヒー豆を満載したトラックが買い付けセンターと農園を頻繁に行き来する。中国の果物流通協会は2012年、同市に「中国コーヒーの都」の称号を授けた。
同市のコーヒーはこれまでにスイスの食品大手ネスレから30万ムー(2万ヘクタール)余り、米コーヒーチェーン大手スターバックスから10万ムー(約6667ヘクタール)余りがそれぞれ認証されたほか、2万8千ムー(約1867ヘクタール)が有機認証、2万ムー(約1333ヘクタール)余りがレインフォレスト・アライアンス(森林や生態系の保護、農園の労働環境など、持続可能な農業のための包括的な基準を満たした農園に与えられる認証制度)の認証を受けている。
普洱市茶葉・コーヒー産業発展センターの王永剛(おう・えいごう)副主任は「コーヒーの国際的な取引基盤と産業サービス基盤も建設し、世界に向けてコーヒー価格指数を継続して発表してきた。商業的なコーヒー豆の取引量は累計13万トンに上る」と語った。
統計によると、同省は中国でコーヒー栽培が最も盛んな省となっている。昨年はコーヒーの作付面積が66万8千ムー(約4万4533ヘクタール)、生産量が4万6千トンに上り、生産量、生産高ともに全国で最高となった。このほか、ミャンマーやラオスなどの周辺国で30万ムー(2万ヘクタール)余りのコーヒー栽培をけん引した。
ネスレやスターバックスなどの企業がここ数年、複数の雲南コーヒー製品を相次いで発売している。こうした力強い「コーヒーブーム」はコロナ禍の中でも中国経済が安定的かつ健全に発展し、市場が開放的かつ寛容であることを如実に表している。