土地嶺の回廊帯で赤外線カメラが捉えた野生のパンダ。(10月25日撮影、成都=新華社配信)
【新華社成都12月6日】中国のジャイアントパンダ国家公園四川省アバ・チベット族チャン族自治州管理分局茂県管理中央ステーションがこのほど、同県土地嶺に設けられた回廊でパンダの撮影に成功した。同区域で赤外線カメラが野生パンダの姿を捉えたのは今年に入り8回目。ここ数年、各地でパンダ同士の交流を促すための回廊が設置され、パンダの活動頻度が高まるとともに、各個体群が「相互訪問」や繁殖を試みていることが明らかになった。
調査の結果、パンダは人間活動などの影響で33の局地個体群に分断され、うち24個体群が存続の危機にひんしていた。同公園管理局の専門家、王放(おう・ほう)氏は「長期的な問題となり得る。小さな個体群の一部で近親交配が起きたり、一度の自然災害や病気で全滅したりする可能性がある。最も直接的で簡単な解決策は回廊帯を設置し、離れた場所で暮らすパンダが互いに交流できるようにすることだ」と述べた。
同公園四川省管理局によると、省内ではここ数年、3億7400万元(1元=約18円)を投じてパンダ交流回廊6本の建設と68平方キロの植生復元を完了した。パンダ生息地の分断は一定程度改善し、小規模個体群の交流や絶滅回避につながる環境が整備された。(記者/肖林、謝佼、張超群)