四川省平武県の王朗国家級自然保護区に設置した赤外線カメラが撮影したユキヒョウ。(8月19日撮影、成都=新華社配信)
【新華社成都12月3日】中国ジャイアントパンダ国家公園四川省エリアでは、鉱山の閉鎖や植生の回復、密猟禁止などによって、パンダだけでなく他の野生動植物も守っており、「パンダ王国」が絶滅の危機に瀕した多くの希少動植物の「楽園」となっている。同エリアにはユキヒョウやウンピョウ、アジアゴールデンキャット、ツキノワグマ、イヌワシなどの肉食動物や、バーラル、ゴーラル、マエガミジカなどの草食動物が数多く生息している。
四川省エリアではパトロールスタッフ数千人が900本以上の監視ルートで、一年中、保護活動を行っている。パンダの保護により明らかな「アンブレラ効果」が生まれ、生態系が回復したことで、さまざまな野生動植物の個体群も活気に満ちてきた。パンダの活動エリアではここ数年、他の希少動物を1600回以上発見しており、多くの場所で動植物の新種も見つかっている。
同省綿陽市平武県の王朗国家級自然保護区では、6月から8月にかけて、設置された赤外線カメラ5台が標高約4200メートルでユキヒョウの姿を相次いで捉えたほか、多数のバーラルやハナジカ、キョンなど草食動物の撮影にも成功した。
第4回全国ジャイアントパンダ調査によると、中国には野生のパンダ1864頭が生息しており、うち平武県は335頭となっている。同県林業・草原局の蒋仕偉(しょう・しい)局長は「県内ではパンダが4100種以上の植物と1900種以上の動物に『保護の傘』を差し伸べた。ここ10年で県内の生態環境は加速度的に好転しており、国家1級保護動物のヌーも10%ほど増えた」と述べた。
四川省林業・草原局によると、ジャイアントパンダ国家公園四川エリアでは動植物約8千種が確認されており、一部の希少動物も個体群の拡大を続けている。雅安市石棉県で今年発見された植物の新種「長芒ホウセンカ」など、新たな個体群も次々と見つかっている。(記者/肖林、張超群、謝佼)