【新華社ロンドン6月2日】英金融大手HSBCホールディングスのノエル・クイン最高経営責任者(CEO)はこのほど、新華社記者の書面インタビューに応じ、短期的には市場に変動が見られるものの、HSBCは依然として中国経済には強靱(きょうじん)さ、長期成長の可能性、発展のチャンス、海外企業と投資家にとっての魅力があると考えているとし、次のように述べた。
HSBCは中国内地市場で投資と成長を続けており、25年までの5年間で中国事業に30億元(1元=約19円)以上の投資を計画している。これは、HSBCの中国市場に対する長期的なコミットメントを示し、つまり中国経済の持続的成長と国際融合への支援をこれまで通りに引き続き強化していくということだ。
中国の今年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)は前年同期比4・8%増となった。新型コロナウイルスの感染再拡大、コモディティー(大口商品)価格の上昇や地政学的情勢の緊張という状況下でも、中国の投資、生産、消費などの分野が成長を遂げていることは、経済の強靱さを示している。
中国は経済の下押し圧力に対応するため、減税の強化や中小・零細企業への財政支援などを通じ、感染拡大による影響を軽減している。サプライチェーン(供給網)の安定化、中小企業の支援に向けて打ち出された関連措置は経済回復の下支えになる。中国の政策刺激の十分な余地を踏まえると、経済の力強い回復が期待される。
中国は数年来、金融業の対外開放推進に取り組み、イノベーション駆動の持続可能な発展を積極的に推進してきた。われわれは、金融業のハイレベルな開放を推進するための中国の継続的政策努力を評価している。これらの措置により、海外投資家の数と投資額はいずれも増加している。
二酸化炭素(CO2)排出量の2030年までの減少転換、60年までの実質ゼロを目指す「双炭」目標を巡り、中国は世界のグリーン金融市場をリードする潜在力を備えている。中国は炭素排出権先物市場の構築を加速している。この先駆的な取り組みは「双炭」目標実現における金融業の重要な役割を浮き彫りにしており、海外市場の経験を吸収することもこの目標の実現に役立つだろう。
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