10日、青海省海南チベット族自治州恰嘎畜牧業で、水耕栽培した牧草の状態を確認する従業員。(西寧=新華社記者/趙玉和)
【新華社西寧3月15日】中国青海省海南チベット族自治州共和県恰卜恰(チャプチャ)鎮の索吉亥(スオジハイ)村は、平均標高が約3千メートル、主に畜産業が営まれている。ここ数年、自然放牧地の漸減と牧畜業の急速な発展から、牧草と家畜の需給不均衡がますます顕著になっている。
村の集団経済組織、恰嘎畜牧業の責任者、索南仁青(ソナムリンチェン)さんは牛や羊に一年を通して新鮮な牧草を与えるため、2021年に国内の企業と協力して自動水耕栽培システムを開発。村内に200平方メートル余りの工場を設立し、コンテナ二つのスペースを使って牧草の水耕栽培の研究に着手した。今では、そこで栽培された牧草が需要を十分満たすようになった。
海南州委員会常務委員で共和県委員会書記の張峰(ちょう・ほう)氏は「水耕栽培で毎日新鮮な牧草が生産できるようになり、家畜の飼料不足を効果的に軽減した」と指摘。この技術により、より多くの農家が畜舎内での飼育を実現でき、自然の牧草地での放牧量を減らすことに繋がり、地元の生態環境を効果的に保護できると述べた。
索南仁青さんは「環境を守りつつ、より多くの畜産業従事者が収入を増やして豊かになれるよう、牧草の水耕栽培を広めていく」と語っている。