【新華社香港8月31日】中国香港税関は今年7月初め、文化財の密輸取締能力の向上を図るため、同税関初の国家文化財鑑別チームを設立した。情報科監督を務める劉玉竜(りゅう・ぎょくりゅう)さんがリーダーとなった。
18日、同僚と玉石を観察する、香港税関情報科監督の劉玉竜さん(左)。(香港=新華社記者/李鋼)
劉さんはチームの設立を画期的な出来事とみる。その上で「われわれ税関は口岸(通関地)の主要な法執行部門の一つとして祖国の南の大きな門戸を守っており、責任は非常に重大だ。チームの設立は、私たちが各方面にさらに力を注ぎ、文化財の密輸を断固として取り締まり、国の文化財の安全を守ることを意味する」と語った。
チームメンバーは内部から選抜された。税関の職務に関する要件に加えて、一定基準を満たす普通話(標準中国語)を話せること、文化財や中華文化を愛していることが選抜基準となる。
設立後、メンバーは陝西省西安市で行われた第1回内地・香港・マカオ文化財違法転売防止能力整備研修クラスに参加した。国家文物局と香港税関が共同で開催した研修は1週間にわたり、カリキュラムには文化財の鑑定や文化財市場の監督管理、文化財犯罪の防止と取り締まりに関する法律と法執行の戦略などが含まれた。
陝西省文物保護研究院で学ぶ国家文化財鑑別チームのメンバー。(7月撮影、香港=新華社配信)
研修を終え、香港に戻ったメンバーは4班に分けられ、各班が1カ月ごとに交代で当番勤務することになった。口岸の要請を受け文化財の監督管理を支援するほか、情報の収集と検討・判断や内地の関係部門との交流、文化財密輸動向の速やかな把握、密輸取り締まりを実施する。