自身が制作した作品を見せる索朗群培さん。(4月18日撮影、ラサ=新華社記者/聶毅)
【新華社ラサ7月10日】中国西蔵自治区ニンティ市朗(ナン)県托麦村に住む索朗群培(スオランチュンペイ)さん(61)の自宅には、馬包(馬などの背に載せる袋)の手作り工房があり、棚にはさまざまな種類の馬包が整然と並んでいる。同県の馬包制作技法は2018年、第5次自治区級無形文化遺産リストに登録された。同自治区で制作される馬包は、牛革製で高い防水性能や大容量、持ち運びしやすいなどの特徴がある。
索朗群培さんは幼少期、馬包を載せた馬に乗る村の大人たちの勇ましい姿を見て、馬包作りに強い興味を持った。21歳の時に地元のベテラン職人、多布傑(トプギェル)さんに弟子入りし、馬包の制作技法を学んだ。現在はニンティ市の第1次市級無形文化遺産、馬包制作技法の伝承者となっている。
馬包制作には水に浸す、肉を剝ぐ、皮をもむ、着色など数十の工程を経る必要があり、制作に時間がかかり生産量も少ないことから、発展や伝承が難しかった。
托麦村の馬包加工・制作技法は15年、ナン県の「興辺富民(国境地帯の振興を図り、住民を豊かにする)プロジェクト」に指定され、工房の新設や原材料の購買ルート開拓などのための資金45万元(1元=約20円)を受けた。これにより制作技法の伝承が可能となった。
索朗群培さんは昨年、「西蔵自治区の職人」の称号を得た。pagebreak
馬包を制作する索朗群培さん。(4月19日撮影、ラサ=新華社記者/聶毅)pagebreak
自身が制作した馬包を見せる索朗群培さん。(4月18日撮影、ラサ=新華社記者/劉洲鵬)pagebreak
索朗群培さん(中央)と家族。(4月19日撮影、ラサ=新華社記者/劉洲鵬)