イスラエル企業は中国との協力深化を期待　イスラエル中国商会会長

イスラエルのテルアビブ市で行われた中国・イスラエル城壁写真展で写真を鑑賞する来場者。（２０２２年７月２１日撮影、テルアビブ＝新華社記者／王卓倫）

   【新華社エルサレム４月２５日】イスラエル中国商会のイラン・マオル会長はこのほど、新華社の単独取材に応じ、中国経済は粘り強さと市場の大きさが魅力で、ますます多くのイスラエル企業が中国との提携を進め、中国の発展の「急行列車」に乗ることを期待していると述べた。

   同氏は、自身が目にした両国のビジネスプロジェクトを振り返り、多くのイスラエル企業が中国のパートナーとの深い提携を通じ、それまでよりさらに良好で急速な成長につなげた事実があると指摘。生産規模を拡大するだけでなく、より多くの投資機会を獲得していると述べた。

   また、「中国企業は強大な実力を持ち、中国市場の国際化も加速している。中国の同業者と強者連合を組めば、イスラエル企業が国際市場で成功する可能性は大きく高まる」との考えを示した。その上で、両国間では日常消費財業界から科学技術産業まで、ビジネスや貿易の往来が盛んに行われていると強調した。

   中国税関総署によると、２２年の中国とイスラエルの貿易額は前年比１１・６％増の２５４億５千万ドル（１ドル＝約１３４円）。両国の貿易は、中国からの輸出とイスラエルからの輸出がいずれも伸びる双方向の成長を実現した。中国はイスラエルにとってアジアで最大、世界で第２位の貿易パートナーで、世界最大の貨物輸入先となっている。

中国建設大手の中国電力建設集団が建設を請け負う、イスラエルのテルアビブ市ライトレール（ＬＲＴ）グリーンラインのＧ３－４区間の工事建設現場で働く中国とイスラエルの作業員。（２０２２年４月２４日撮影、テルアビブ＝新華社記者／王卓倫）

   同氏はさらに、「中国の開放の扉がますます大きく開いていることは、世界経済にとってもイスラエルにとっても極めて重要である」とし、世界２位の経済大国である中国は世界の産業構造と貿易体系において極めて重要な地位を占めており、中国がますます世界市場への融合を深めていることは、イスラエルと中国の経済・貿易交流にプラスに働くとの見方を示した。

   イスラエルと中国の革新的全面パートナーシップについて同氏は、イノベーション協力は両国関係のハイライト、ブースターであり、財界の注目度も高いと指摘。イスラエルはイノベーションを奨励し、各分野に多数のスタートアップ企業があること、中国の多くのテック企業が世界の先頭に立っていることを取り上げ、両国はそれぞれの強みで補い合うことができ、大きな協力の潜在力があると述べた。

   中国は今年、ＧＤＰ成長目標を５％前後とした。同氏は「歴史を振り返れば分かるように、中国には先見の明に富んだ政策決定者がおり、彼らは往々にして合理的な目標を設定し、それを効率的に実行している」と評価、成長目標の達成を確信していると述べた。