1日、ハンガリーのブダペスト西駅に到着したウクライナ市民。(ブダペスト=新華社配信)
【新華社北京3月11日】中国でこのほど開かれた両会、全国人民代表大会(全人代)会議と中国人民政治協商会議(政協)全国委員会会議での外交部長記者会見は、国際情勢が複雑で不安定な中にあって、国内外の世論の注目を集めた。中国外交学院の王帆(おう・はん)副院長は、新華社傘下のネットメディア「新華網(しんかもう)」の取材に応じ、今回の記者会見が発した重要なシグナルについて解説した。
記者からの「王毅(おう・き)国務委員兼外交部長は会見で、複雑な問題の解決に必要なのは冷静と理性であり、火に油を注ぎ、矛盾を激化させることではないと述べた。しかし今、北大西洋条約機構(NATO)を含む西側諸国は実際に火に油を注いでいる。ウクライナ情勢がエスカレートする中、西側諸国はいったい何をしてきたのか」という質問に対し、王副院長は次のように見解を述べた。
まず、責任の問題について。実際のところ中国は公平な立場で、問題の是非を正確に判断し、その上で問題を解決するというわれわれが負うべき責任をすでに負っている。同時にわれわれは、この問題が非常に複雑で、さまざまな要因によるものであり、一国の責任ではないことを理解している。単純に制裁を課し、非難するだけではどの国も問題をよりよく解決できない。各国が協力し同じ目標に向き合って進むこそ解決できる問題だ。
しかし、ウクライナ情勢全体の発端となった国もあれば、同時にまた危機の推進役、あるいは危機の黒幕となった国もある。彼らの目的は問題を解決することでは全くなく、問題を長引かせエスカレートさせることにある。このような中で一国に対し武器や弾薬を提供し続けることは、火に油を注ぐ典型的なやり方と言える。
また、対ロシア制裁は欧州自体や、米国、そしておそらく長期的にはドル主導の金融システムなどを含む国際社会のあらゆるレベルに悪影響を及ぼすだろう。同時に、さらなる矛盾を引き起こすことになる。制裁によってロシアと欧米の間の矛盾は解決されておらず、むしろ激化し、一連の連鎖反応を引き起こしている。
このため王毅氏は今回特に、緊張が増すほど、意見の相違が大きくなるほど交渉がますます必要になる、つまり理性と冷静さを保って問題の解決に当たらなければならないと指摘した。問題解決に結び付く対策として、例えば、ロシア・ウクライナ間の2回の交渉で市民のための避難ルート「人道回廊」設置が初歩的に合意されたことは、非常に良い突破口となり得る。中国はこの問題でも中国の知恵とアイデアを提供した。王毅氏が行ったいくつかの提案は、われわれがいかに平和のための協議を進めているか、またいかに国連の枠組みの中で迅速で適時、効果的で安全な「人道回廊」を保護し、ウクライナの民間人や外国人居住者の最も基本的な生命と安全の保障を良い方向へ推進しているかをよく示している。このような方法こそが問題の真の解決の糸口になると認識している。
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