【新華社アクラ2月16日】アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)は2021年1月に運用が始まって以降、新型コロナウイルスなどの試練の中でも着実に進展を遂げ、アフリカ大陸の経済統合を推進している。業界関係者は、アフリカと中国との協力でAfCFTAがもたらす新たなチャンスが徐々に顕在化しているとの見方を示す。
AfCFTAのワムケレ・メネ事務局長は1月に受けたアフリカメディアのインタビューで、すでに39カ国がアフリカ連合(AU)にAfCFTA批准を報告したと説明。AU加盟国はアフリカ原産商品の8割以上で関税問題の共通認識に達しており、すでに紛争解決メカニズムも始動していると述べた。
1月13日には、AfCFTA事務局がアフリカ輸出入銀行などの機関と連携し、ガーナの首都アクラでパンアフリカ決済システムを発表した。同システムにより、アフリカ諸国は自国通貨を使い、アフリカ大陸でタイムリーかつ安全、迅速な決済を行うことができる。アフリカ諸国の決済コストは毎年50億ドル(1ドル=約116円)削減されることになる。
メネ氏は、これらの措置がAfCFTAの着実な前進と域内市場統一に向けたアフリカ諸国の決意を示していると指摘。アフリカの貿易と投資を一層促進し、工業化プロセスを加速すると述べた。
中国税関総署の統計によると、中国とアフリカの貿易額は21年に2500億ドル超え、14年以降で最高となった。
中国商務部は21年11月、AfCFTA事務局と経済協力専門家グループ設立に関する了解覚書を締結したと発表した。商務部の銭克明(せん・こくめい)副部長はその際、AfCFTAの建設がアフリカ自身の発展と振興を促すとともに、中国とアフリカの経済・貿易関係の発展にも重要なチャンスをもたらすと表明した。
中国社会科学院西アジア・アフリカ研究所の研究員で、同院南部アフリカ研究センター主任の姚桂梅(よう・けいばい)氏は、AfCFTAには多分野、多業界の連携発展を促す成長性があると指摘。アフリカ諸国の多くはインフラを経済振興の優先分野するだけでなく、移動通信やデジタル経済、クリーンエネルギー、スマート都市などの新分野にも力を入れており、中国・アフリカ協力に新たなチャンスをもたらすとの考えを示した。
姚氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、中国企業は「クラウド感染対策」支援や「クラウド経済」発展で得た経験をアフリカ諸国と分かち合っており、各種のデジタル協力プラットフォームやオンラインプロモーション、ライブコマースなどの新業態協力も進んでいると説明。これらは中国企業とアフリカ企業の結び付きを確実に強め、アフリカ製品の対中輸出をけん引しているとし、将来はデジタル経済が中国・アフリカ協力の新たな注目点になるとの見方を示した。
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