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日本の「美濃焼」中国市場デビュー CIFTISに出展

新華社 | 2021-09-06 09:06:54 | 編集: 陳辰

   【新華社北京9月6日】2021年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)の総合展が3日、北京の国家会議センターで開幕した。岐阜県多治見市と四川省邛崍(きょうらい)市の合同展示ブースでは、日本の伝統的な陶磁器、美濃焼が中国で初めて公式にお披露目され、多くの来場者の注目を集めていた。

   今回展示されたのは、美濃焼の名窯から選び抜かれた作品2500点以上で、伝統工芸品、伝統的日用品、中高級レストラン用品、贈答用食器の4種類に分類される。

3日、CIFTISの総合展で展示された美濃焼。(北京=新華社記者/葛培媛)

3日、CIFTISの総合展で展示された美濃焼。(北京=新華社記者/葛培媛)

3日、CIFTISの総合展で展示された美濃焼。(北京=新華社記者/葛培媛)

3日、CIFTISの総合展で撮影した、岐阜県多治見市と四川省邛崍市の合同展示ブース。(北京=新華社記者/葛培媛)

3日、CIFTISの総合展でクイズに参加して美濃焼の記念品を受け取る来場者。(北京=新華社記者/葛培媛)

   多治見市市政アドバイザーで、美濃焼中国市場代表を務める庄暁暉(しょう・ぎょうき)氏は取材に対し「中国の消費者が先に美濃焼の『美しさ』に気付いていた」と語った。2019年末に新型コロナウイルス感染症の流行が始まるまでの数年間、日本を観光旅行する中国人観光客は年々増加していたが、多くの中国人消費者が日本を観光した際に美濃焼の工芸品を気に入り、購入していた。庄氏は「日本を訪れた中国人消費者から注目されるまで、美濃焼ブランドは中国で全くと言っていいほど公的プロモーションをしていなかった」と明らかにした。

   美濃焼の名は中国の人々の間で瞬く間に広まった。多治見陶磁器卸商業協同組合の竹内幸太郎理事長によると、一般貿易や越境電子商取引(EC)のルートで中国に輸出された美濃焼の貿易額は2019年が56億円だったが、2020年には117億円となり、新型コロナの流行にも関わらず増加した。同時期における中国以外の国・地域との貿易額は19億円にとどまった。

   19年11月、竹内氏一行は、中国人民対外友好協会の推薦で邛崍市を視察。地元の邛窯遺跡から出土した色絵磁器のデザインや形が、美濃焼の伝統工芸品に非常に似ていることに驚いたという。同遺跡の竜窯(りゅうよう、斜面を利用して陶磁器を焼成した単室の窯)も、多治見市の登り窯と形態が似ていて親近感が湧いたこともあり、美濃焼商標権者の一人である竹内氏が、両市の友好協力関係締結の「仲人」となった。

   今年6月22日、邛崍市と多治見市は、邛窯と美濃焼という両市に共通する特徴的な産業に基づき、文化クリエーティブや文化観光に関するサービス貿易の開発を共同で推進する「友好協力関係に関する覚書」に調印した。また、22年2月15日に邛崍市に開館する予定の邛窯遺跡博物館内にも「崍・見中日友好色絵磁器展示エリア」が開設され、美濃焼が常設展示される予定となっている。

   庄氏は「両市の協力はウィンウィンそのものだ」と指摘した。東晋時代に起源を持つ邛窯は中国最古の民窯の一つで、中国の色絵磁器発祥地でもあるが、戦乱や他の磁器の台頭により、伝統的な技法が一時期失われてしまった。庄氏は「陶磁器の焼成で難しいのは、収縮率や色の再現性をコントロールし、合格率を高めて製品を設計基準に合わせる点だ。美濃焼の成熟した量産製造システムは、技術面や人材面で邛窯の磁器産業を振興、発展させる後押しになる」と期待を寄せた。

   両市の友好協力は、美濃焼にとっても中国市場を開拓するチャンスとなっている。庄氏は「現在の中国陶磁器市場は、景徳鎮磁器に代表される青磁や白磁が主流を占めている。美濃焼のレストラン用品は中高級市場に位置付けられ、現在の白皿中心の店舗により豊富な選択肢を提供できる。また邛崍市は中国有名な白酒原酒生産拠点であり、美しいデザインの美濃焼の徳利に千年の歴史を持つ邛酒を注ぐなど、双方の協力で革新的な取り組みが模索できる」と意欲を示した。(記者/葛培媛)

 

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