
6日、ソニーのブースで、2次元の映像やデータを立体的に確認できる「俯瞰(ふかん)式空間コンテンツ制作ツール(プロトタイプ)」を実演する吉田武司総裁。(上海=新華社配信)
【新華社上海11月7日】第9回中国国際輸入博覧会(輸入博)が5日、上海市で開幕した。5回目の出展となるソニーグループは、映像制作を支援する先端技術などを披露している。ソニー中国の吉田武司総裁は新華社のインタビューで、輸入博を新たな事業や協力相手を見つける重要な機会と位置付け、中国市場での新たな事業展開に意欲を示した。
今回、中国で初めて披露した技術の一つが、2次元の映像やデータを立体的に確認できる「俯瞰(ふかん)式空間コンテンツ制作ツール(プロトタイプ)」。クリエイターが制作途中の映像を裸眼で3次元表示して確認できるもので、従来は時間がかかっていた作業を大幅に効率化できる。吉田氏は、アニメーションなどの映像制作に革命的な変化をもたらす技術になると期待を示した。同技術は主催者が選ぶ先端技術展示品10件の一つにも選ばれた。
このほか、車内で映画やゲームを楽しむ際の車酔いを軽減する人工知能(AI)技術や、スポーツ中継で選手の動きをリアルタイムで追跡し、映像に仮想空間を重ね合わせる技術なども紹介している。

6日、ソニーのブースで体験する来場者。(上海=新華社配信)
吉田氏は、輸入博は製品や技術を展示するだけでなく、協力関係を築く場でもあると強調した。第7回輸入博では、ソニーの映像制作技術に関心を持った湖南省側との交流をきっかけに、湖南衛星テレビと協力して同省の食文化を紹介するドキュメンタリー「主厨湘遇記(A Juicy Spicy Journey)」を制作。ソニーの海外配信網を通じて、湖南省の文化や料理を世界に紹介した。
2023年の輸入博で、安徽省の茶農園がソニーの「協生農法」に強い関心を示したことをきっかけに、双方の協力が始まった。生態系の再生を目指す同技術を、中国の伝統的な緑茶「六安瓜片」の栽培に活用し、今年の第9回輸入博では、ついに商品化を果たした製品が展台に並んだ。吉田氏はこうした実績を踏まえ、輸入博を新たな事業の可能性を探る場と捉えていると語った。

6日、多くの来場者でにぎわうソニーのブース。(上海=新華社配信)
中国市場について、吉田氏は交通網やエネルギーなどのインフラ整備が進んでいる点を評価した。特に、AIの普及を見据えたクリーンエネルギーの活用やデータ処理基盤の整備に注目している。こうした事業環境を生かし、中国の大手プラットフォーム企業と連携することで、AIを活用したコンテンツ制作の効率化や、消費者のニーズに応じた配信の仕組みづくりなど、新たな事業展開につなげたいとの考えを示した。
今年はソニーグループの創立80周年、ソニー中国の設立30周年に当たる。吉田氏は、中国での事業が当初の日本製品の輸入販売から現地生産へ、さらに中国市場のニーズに応じた商品企画・開発へと発展してきたと振り返った。
ソニーグループ全体でも、従来の電子機器を中心とする事業から、映画や音楽などのエンターテインメント分野へと軸足を移しつつある。吉田氏は、ソニー中国もこうした変化に対応する必要があるとし、グループ内のさまざまな事業を結び付け、中国市場で新たなビジネスを生み出していくことが、次の30年に向けた重要な課題になるとの考えを示した。(記者/彭純、許芸潁)

6日、ソニーのブースで見学する来場者。(上海=新華社配信)

6日、ソニーのブースで紹介された、高齢者の転倒を検知して知らせる見守りシステム。(上海=新華社配信)

6日、ソニーのブースで、車内で映画やゲームを楽しむ際の車酔いを軽減するAI技術を体験する来場者。(上海=新華社配信)

6日、ソニーのブースで紹介された空間コンテンツ制作ツール。(上海=新華社配信)

6日、ソニーのブースで、空間コンテンツ制作技術の説明を聞く来場者。(上海=新華社配信)

6日、ソニーのブースを見学する来場者。(上海=新華社配信)