
貴州省恵水県の山あいに位置する布塔尼食品のチョウザメ養殖場。(恵水=新華社配信)
【新華社貴陽11月2日】中国貴州省黔南(けんなん)プイ族ミャオ族自治州恵水県にある布塔尼食品が、キャビアの日本向け輸出を本格化させている。同社の張翠蘭(ちょう・すいらん)董事長は、今年すでに計500キロのキャビアを日本に輸出しており、年末には1トンを突破し、生産額は200万元(1元=約24円)を超える見通しと明らかにした。
貴州省産キャビアの日本への輸出は今年5月末に始まったばかり。初回出荷分が日本市場で好反響を得たことから、同社はその後出荷量を拡大した。張氏は「活魚輸出にとどまっていた当社のチョウザメ産業が、加工による高付加価値化を開拓したことを意味する」と語り、日本市場を足がかりに、アラブ首長国連邦(UAE)などさらなる国際市場の開拓に意欲を示した。
世界のキャビア市場は長年、伝統的な一大産地が主導権を握り、新規参入の壁は厚かった。風穴を開けたのは今年5月末。同社が生産した貴州産キャビア100キロが恵水県を出発し、上海浦東国際空港経由の国際コールドチェーン(低温物流)便で初めて日本へ空輸された。張氏は「活魚輸出にとどまっていたわが社のチョウザメ産業が、加工による高付加価値化を開拓したことを意味する」と語る。
輸出成功の裏には、厳しい資格審査のクリアがあった。チョウザメとその製品は、野生生物の取引を規制するワシントン条約(CITES)の対象で、国際取引には厳格な登録・審査が必要となる。同社は今年5月、正式にCITESの登録資格を取得。貴州省で初めてキャビアの国際輸出資格を持つ加工企業となった。

貴州省恵水県の布塔尼食品でキャビアの輸出用ラベルを確認し、梱包の準備をする従業員。(5月31日撮影、恵水=新華社配信)
初回出荷分が日本市場で好反響を得たことから、同社はその後出荷量を拡大した。
山奥で作られる貴州産キャビアが、なぜ日本で好評なのか。その鍵として張氏が挙げるのが「低塩加工」だ。「キャビアの塩分濃度が低すぎると、長時間の輸送で粒が崩れてしまう。逆に高すぎると味が濃くなりすぎて、キャビア本来のうまみが損なわれる。わが社は技術的な課題を克服し、低塩で漬けながらもしっかりした粒立ちを保つことに成功した。これが日本市場での好評につながっている」と張氏は説明する。
貴州省は冷涼な流水資源が豊富で、水温の大半が年間を通じてチョウザメの生育に適した15~25度に保たれている。2025年には、省全体の生産量が3万6千トンを突破し、養殖面積は145万平方メートルを超えた。
張氏は「日本市場を足がかりに、さらなる国際市場の開拓を目指す。すでにアラブ首長国連邦(UAE)の企業とも購入意向書を締結した」と明かす。
布塔尼食品の養殖池では、体長2メートル近いチョウザメ数十匹が、悠々と泳ぎ回っている。身は食用、骨はスープ、卵はキャビアへと加工され、「トン単位の活魚販売」から「グラム単位のキャビア販売」への転換が進む。キャビアの海外進出成功による飛躍的な価値向上は、地元の養殖産業の形態を再構築しつつある。(記者/楊欣)