
江西省徳興市新崗山鎮で戯れるズアオキノドガビチョウ。(4月20日撮影、徳興=新華社配信/詹発文)
【新華社南昌10月29日】ズアオキノドガビチョウは、世界で最も絶滅の危機にひんしているスズメ目の鳥の一つで、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅寸前(CR)に指定されているが、近年は野生の個体数が増加傾向にある。2006年の約200羽から現在は約660羽に増え、中国江西省の婺源(ぶげん)県や徳興市および周辺地域に分布している。
ズアオキノドガビチョウが人々の視界から数十年間「消失」していたことはあまり知られていない。1919年にフランス人宣教師のリビエールが婺源県で標本を採集したのが最初の記録で、23年にフランスの鳥類学者が正式に命名したが、その後の長い年月で現地の野生個体群はほぼ姿を消し、2000年になって同県で再び確認された。

江西省徳興市花橋鎮のズアオキノドガビチョウの巣でふ化したひな。(5月18日撮影、徳興=新華社配信/邵徳初)
それから十数年後に徳興市で生息が確認された際、繁殖地は数カ所しかなかったが、市内の個体数は現在、約320羽に増え、世界の野生個体数の約半分を占めるようになった。同市の新崗山(しんこうざん)、海口、花橋各鎮などでは、集落や山林の各所で姿を見ることができる。

江西省徳興市新崗山鎮で餌を探すズアオキノドガビチョウ。(4月20日撮影、徳興=新華社配信/詹発文)
個体群が拡大した背景には、人と鳥との歩み寄りがある。人が多い場所は餌が豊富で、ひなもより安全なため、ズアオキノドガビチョウは集落の近くに巣を作ることを好む。徳興市は24年にズアオキノドガビチョウ保護分センターを設立し、専任の鳥類保護チームを編成してパトロールを実施。また、餌を得やすくするために生息地を修復し、クワやヤマモモなどの果樹を植えた。科学研究面では江西農業大学や江西師範大学などが保護・研究に加わった。
生態環境の改善が続く徳興市には、多くの鳥が集まるようになった。今年6月に市内で開かれた第1回バードウォッチング大会では162種の鳥類が確認され、国家1級保護動物のズアオキノドガビチョウとトキも含まれていた。(記者/胡錦武、姚子雲)