中国の研究者、曲がる太陽電池を大面積化 効率20%超

中国の研究者、曲がる太陽電池を大面積化 効率20%超

新華社 | 2026-10-26 16:29:45

蘇州大・李耀文教授の研究チームが企業と試作した携帯型フレキシブル・ペロブスカイト太陽光電池パネル。(蘇州=新華社配信)

 【新華社南京10月26日】中国江蘇省蘇州市にある蘇州大学の李耀文(り・ようぶん)教授の研究チームがこのほど、フレキシブル(曲げられる)なペロブスカイト薄膜を作る新たな手法「デカップリング共堆積」を考案し、地元企業と連携して商用サイズの大面積太陽電池モジュールを量産した。光電変換効率は安定して20%を超えたという。研究成果をまとめた論文は23日、国際学術誌「サイエンス」電子版に掲載された。

 太陽光パネルは通常、重くて硬いが、次世代の太陽電池として注目されるフレキシブル・ペロブスカイト薄膜は軽く、曲面に貼り付けることもできる。ただ、面積を少し大きくしただけで光電変換効率と寿命が著しく低下することから、長らく実験段階にとどまっていた。

 李氏によると、フレキシブル・ペロブスカイト薄膜の作製では、界面層の材料とペロブスカイトを一度に成膜する「共堆積」が重要な工程となる。原料を溶かした前駆体溶液からペロブスカイトの結晶ができ、プラスチック基板の表面に付着して一枚の薄膜を形成するが、薄膜の面積が大きくなると、薄膜と基板の間にある界面層の厚さにむらが生じていた。

 論文の共同責任著者の許桂英(きょ・けいえい)教授は「今回は界面層がどのように形成されるのかを分子レベルで重点的に調べ、排他的な競合の仕組みがあることを突き止めた」と説明した。プラスチック基板の水酸基は、前駆体溶液に含まれる界面分子と有機溶媒のどちらか一方としか結び付くことができず、一部の水酸基が有機溶媒と結合すると、界面分子は基板表面に固定されなくなるという。

蘇州大・李耀文教授の研究チームが企業と試作した商用規格のフレキシブル・ペロブスカイト太陽光電池デバイス。(蘇州=新華社配信)

 研究チームはこれを踏まえ、水酸基と有機溶媒の結合を切り離す添加剤(デカップリング剤)を加える手法を考案。水酸基が有機溶媒との結合を断ち、界面分子と結合するよう促すことで、界面層を基板表面にしっかり定着させた。

 李氏は、研究チームがこの1年、実験室で作製した小型の検証用素子を基に、地元でフレキシブル太陽電池の開発・製造を手がける蘇州尚柔新能源と試験生産を進め、有効面積750平方センチの大面積フレキシブル太陽電池モジュールを一定の規模で量産したと紹介。光電変換効率は従来の2倍以上となり、20%の大台を安定して超えたという。

 李氏は「今後も産学研の連携を深め、産業界の真のニーズに基づき研究課題を定め、フレキシブル太陽電池の産業化を着実に進めていく」と語った。(記者/陳席元)

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