モンゴル草原火災、生態系への影響の総合評価が必要 専門家

モンゴル草原火災、生態系への影響の総合評価が必要 専門家

新華社 | 2026-10-24 23:18:15

 【新華社東京10月25日】日本企業の関係者がモンゴルで大規模な草原火災を引き起こした問題が注目を集めている。専門家は、火災が周辺の生態系に深刻な影響を及ぼす恐れがあると指摘し、被害の実態や自然環境の回復の見通しを慎重に評価する必要があるとの見方を示した。

 モンゴル東部のドルノド県にあるヌムルグ自然保護区で8日、大規模な草原火災が発生した。同国メディアによると、火は16日に消し止められた。日本の通信事業大手KDDIは20日、火災が子会社の日本人幹部の行動に関係していることを認めた。

 同地域の生態環境を長年研究している日本の国立環境研究所の王勤学(おう・きんがく)研究員は取材に対し、今回の火災は極めて深刻で、草原だけでなく河岸や湿地などの生態環境にも影響を及ぼす可能性があると指摘した。植生が回復しても土壌が元の状態に戻るか、野生動物が無事に越冬できるか、国境を越えた環境汚染が生じるかどうかについて、火災が及んだ範囲や植生・土壌の被害状況を踏まえて総合的に評価する必要があると述べた。

 モンゴル自然環境・気候変動省が20日に発表した暫定的な集計によると、今回の火災が及んだ面積は約53万ヘクタールで、このうちヌムルグ自然保護区の被災面積は約47万ヘクタールだった。

 同保護区はモンゴル東部の中国との国境付近に位置する。王氏によると、草原のほかにも森林や河川、湿地が入り組んで分布し、多様な動物が生息しており、地域の生物多様性を守る上で重要な役割を果たしているという。

 王氏は、火災の翌年に植生が回復したとしても、植物の種類や土壌の状態が元に戻るとは限らないと指摘した。森林生態系への影響はさらに評価が難しく、樹木の生存率、種子の供給源の残存状況、新たに芽生えた木の生育状況などを総合的に調べ、森林の被害の程度や今後の回復の可能性を判断する必要があるとした。

 また、国境を越えた生態系への影響についても言及し、灰や土砂が地表を流れる雨水などと共に河川や湿地に流れ込んでいないか、火災による煙が国境を越えて拡散していないかについて、さらに確認する必要があると述べた。(記者/胡暁格、銭錚)

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