東京・淡路公園で開かれた反「靖国」集会の参加者。(8月15日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
【新華社北京10月24日】日本では最近、高市早苗首相による靖国神社への供物奉納や政治家の参拝、防衛費の拡大、大規模な日米共同演習など、安全保障や歴史認識を巡る憂慮すべき動きが相次いでいる。中国遼寧大学日本研究センターの陳洋(ちん・よう)客員研究員は、こうした動きが歴史の正義を冒瀆(ぼうとく)し、アジアさらには世界の平和と安定を深刻に脅かしているとの見方を示した。
陳氏は、高市氏による靖国神社への真榊(まさかき)の奉納と玉串料の納付、一部の政治家による参拝について、一連の政治的なパフォーマンスは極めて悪質だと批判し、歴史的事実、人類の良識と道義、国家の平和に対する責任、戦後の国際秩序という四つの観点から問題点を指摘した。
第一に、歴史的事実を否定するものだとした。東京裁判では、かつての日本軍国主義による侵略犯罪が法に基づいて認定されており、戦犯の罪を覆すことは許されない。それにもかかわらず、日本の為政者は公的な立場で供物を奉納し、参拝することによって、侵略者と被害者の区別を曖昧にし、侵略行為を正当化しようとしている。こうした歴史修正主義的な姿勢は、史実を公然と否定するものにほかならないと批判した。
東京・淡路公園で開かれた反「靖国」集会の参加者。(8月15日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
第二に、人類の良識と道義に反すると指摘した。第2次世界大戦のA級戦犯を祭る靖国神社への参拝は、戦争の犠牲者を再び傷つけ、無数の被害者が経験した苦難を無視するものであり、文明社会が共有する良識にも背いているとした。
第三に、国家が果たすべき平和への責任に背くものだとした。日本は侵略の罪責を直視し、真摯(しんし)に反省すべきであり、戦犯を「英霊」として祭ることは、過ちを認めようとしない姿勢の表れだと述べた。
第四に、戦後の国際秩序と平和的発展を脅かすものだと指摘した。戦後の国際秩序を支える重要な原則の一つは、侵略に反対し、平和を守ることであり、日本の為政者が靖国神社に敬意を示すことは、軍国主義の復活を助長し、戦後の国際秩序に対する挑発となると批判した。
20日、東京で開かれた集会で、日米共同演習「キーン・ソード27」に抗議する人。(東京=新華社記者/李子越)
陳氏は、靖国神社問題の核心は、日本が侵略の歴史を真に直視し、戦争責任を負えるかどうかにあると強調した。また、日本の政治家が平和を守ると主張する一方で、侵略の歴史に対する厳しい追及を避けることは許されないと述べた。
日本では2026年度防衛予算が9兆円を突破し、日米共同演習「キーン・ソード27」に約4万5千人が投入されたほか、「非核三原則」に例外を設ける可能性も示唆された。陳氏は、こうした一連の動きは互いに無関係ではないとし、地域の国々や国際社会が強く警戒する必要があると指摘した。
陳氏は、増加を続ける防衛予算について、戦後の日本が維持してきた防衛政策上の抑制的な姿勢を転換するものだと述べた。日本はかつて長期にわたり経済発展に重心を置いていたが、現在は防衛予算を年々大幅に増やし、長距離打撃兵器を大量に調達するとともに、いわゆる「敵基地攻撃能力」の整備を進めている。こうした動きは「専守防衛」の原則からの逸脱を加速させ、防衛力を攻撃的なものへと転換させる動きにほかならず、巨額の軍事費は軍備拡張の明確な方針を反映しているとした。
20日、東京で開かれた集会で、日米共同演習「キーン・ソード27」に抗議する人たち。(東京=新華社記者/李子越)
日米共同演習については、特定の相手を念頭に置いた威嚇の意図が明確だと指摘した。大規模な兵力の統合運用や戦術面の連携訓練を通じ、日米間の軍事的な結び付きを一段と強め、すでに複雑な状況にある地域情勢に新たな不安定要因をもたらしているとした。
「非核三原則」の緩和については、核不拡散体制の根幹に関わる重大な問題だと指摘した。核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という三原則は、戦後の日本が国際社会に示してきた核政策上の重要な約束である。陳氏は、日本側が三原則に例外を設ける可能性を示すことで、国際社会の反応を探り、将来の核政策見直しに向けた余地を残そうとしていると分析。実際に例外が設けられれば、世界の核不拡散体制に深刻な打撃を与え、アジア太平洋地域の核をめぐる安全保障上のリスクを大きく高めることになると警告した。