沖縄県名護市辺野古の米軍基地建設現場。(2023年11月25日撮影、東京=新華社記者/馮武勇)
【新華社東京10月10日】沖縄県で在日米軍の兵士が強盗殺人の疑いで逮捕された事件を受け、沖縄県議会は9日、米国側への抗議決議と日本政府宛ての意見書を可決し、実効性ある再発防止策の実施と日米地位協定の抜本的な改定を求めた。
事件を巡り、高市早苗首相は4日、「極めて遺憾だ」と表明した。同日にはさらに茂木敏充外相がグラス駐日米国大使を、小泉進次郎防衛相がジョスト在日米軍司令官をそれぞれ呼び出し、抗議した。
在沖米軍は事件を受け、7日正午から2日間、通常業務を停止し、9日から30日間の夜間外出制限を実施した。また、遺族に哀悼の意を表し、日本側の捜査に協力する姿勢を示したものの、謝罪の言葉はなかった。

沖縄県で開かれた本土復帰50周年記念式典の会場外で、米軍基地の縮小や全面撤去を求めて抗議する人々。(2022年5月15日撮影、東京=新華社記者/張笑宇)
事件の発生と米側の対応に、沖縄では怒りの声が上がっている。4日には那覇市で抗議集会が開かれ、約100人が参加した。参加した女性の一人は、自分や娘が次の被害者になるのではないかと常に不安を感じていると訴えた。交流サイト(SNS)でも「日本政府は弱腰だ」「政府は米国の言いなり」「植民地と変わらない」など、怒りの声が相次いだ。
沖縄県の統計によると、1972年の本土復帰から2025年までに米軍人・軍属らが関与した刑事事件の検挙件数は6409件に上り、近年は増加傾向にある。
今回の事件については、日本が外交・安全保障政策で長年にわたり米国に依存し、対米関係で不平等な立場に置かれてきたことの弊害だとの指摘が出ている。さらに、日本政府が沖縄で軍事配備を強化し続けていることが、地元住民に新たな安全上のリスクをもたらしているという見方もある。
東京の国会議事堂周辺で抗議活動に参加し、平和憲法を守るよう呼びかける人々。(4月19日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
昨年10月に発足した高市政権は、軍備拡張に特に積極的な姿勢を見せている。小泉氏は昨年11月、沖縄県の石垣島と与那国島で自衛隊基地を視察した際、与那国島への中距離地対空ミサイル部隊の配備計画について、予定通り進んでいるとの認識を示した。
沖縄の地元メディアや日本の左派からは、高市政権が沖縄の負担軽減と経済振興を約束する一方で、実際には軍事配備を進めているとの批判が上がっている。米軍基地の負担が軽減されないばかりか、日本の軍備拡張の最前線としての沖縄の役割がむしろ強まっているという。
日本共産党の田村智子委員長は、日本政府が沖縄で凄惨(せいさん)な地上戦を強いた歴史的責任を顧みず、沖縄の戦場化を想定した部隊の増強を進めていると批判した。
沖縄国際大学の前泊博盛教授は、日本政府がいわゆる「緊急事態」への対応を理由に沖縄で自衛隊の配備を強化し、地元住民の生活や地域経済に打撃を与えていると指摘。軍事的手段への依存を深め続ければ、日本は戦争へと向かいかねないと警告した。