
ハンギン後旗の金沙湾モンゴルガニ養殖拠点で、カニを水揚げする従業員。(9月22日撮影、フフホト=新華社配信)
【新華社フフホト10月7日】中国のチュウゴクモクズガニは、日本で「上海ガニ」として親しまれ、日本人観光客が上海で味わう秋の味覚となっている。現在、上海ガニは海から遠く離れた内モンゴル自治区の河套地域でも養殖されている。
同自治区バヤンノール市ハンギン後旗は、陰山山脈の南麓、黄河の北岸、ウランプハ砂漠の東縁に位置する。黄河の水がこの穀倉地帯を潤してきたが、長年のかんがいにより地下水位が上昇し、塩分が地表に蓄積したため、耕地の多くが塩類アルカリ土壌となり従来の作物の栽培が困難となった。
市はこれまでに254万7千ムー(約1700平方キロ)の塩類アルカリ土壌を改良したが、残る低収量の土壌をいかに活用するかが課題となっていた。
地元の塩性アルカリ水はミネラルや微量元素を豊富に含み、水産物の生育に適した環境だった。ハンギン後旗は水草の植栽、水質管理、エコ飼料の給餌などの課題を一つ一つ解決し、南方のカニを北方で養殖する「南蟹北養」モデルを確立した。

ハンギン後旗の金沙湾モンゴルガニ養殖拠点。(9月12日撮影、フフホト=新華社配信)
ハンギン後旗農牧・科技局の張少恒(ちょう・しょうこう)局長は「約2年間養殖池にすることで土壌の塩分が抜ける。その後は水産養殖と農業を交互に行うことができる」と説明。池でカニを育てることで池底の土壌も改良されることから、養殖による塩分除去の取り組みが広がっていると述べた。
内モンゴル蟹之源生態科技は早い時期から事業に参入した企業の一つで、現在は標準化養殖池を1500ムー(100ヘクタール)所有し、地元村民50人余りを安定的に雇用している。
陳雄(ちん・ゆう)董事長は「豊かな黄河の水資源があり、水中のミネラル分も豊富だ。チュウゴクモクズガニの生育に適している」と指摘。河套地域に適した健全な養殖体系を既に確立したと語った。

結束され、出荷を待つカニ。(9月18日撮影、フフホト=新華社配信)
ハンギン後旗は今年、3万3千ムー(2200ヘクタール)の養殖面積を確保し、稚ガニ300万匹超を放流。秋の総生産量は250トンに達すると見込む。北方は水温の低下が早いため、河套産の「モンゴルガニ」は南方の上海ガニの主産地より15~20日早く出荷され、中秋節や国慶節の連休シーズンにも間に合う。青い甲羅に引き締まった身、カニミソがぎっしり詰まった「モンゴルガニ」は、地元だけでなく、北京や上海、広州など大都市へも出荷されている。(記者/趙沢輝)