音楽で高齢者の心潤す若手講師 中国江西省

音楽で高齢者の心潤す若手講師 中国江西省

新華社 | 2026-10-07 23:30:30

九江市の高齢者施設で、声楽の授業中に一緒に体を動かす董福順さん(左端)と受講者。(2025年10月20日撮影、九江=新華社配信)

 【新華社南昌10月7日】中国江西省九江市で、高齢者に歌う楽しさを伝える音楽講師がいる。1990年代生まれの董福順(とう・ふくじゅん)さんだ。9年間にわたり高齢者に音楽を教え、地域や高齢者施設でも音楽教室を開いている。

 市内の高齢者向けの生涯教育施設「老年大学」では、董さんが両手でリズムを取ると、受講者数十人が腕を振り、声を上げて歌う。教室には歌声や笑い声、拍手が響く。

 2023年には、受講者たちが音楽に合わせて体を動かす授業の動画がインターネットで広まり、再生回数は6千万回近くに上った。

九江市の高齢者施設で、声楽の授業中に一緒に体を動かす董福順さんと受講者。(2025年10月20日撮影、九江=新華社配信)

 動画が人気を集めた背景には、董さんが高齢者に合わせて工夫した教え方がある。教え始めた頃、受講者の平均年齢は60歳を超え、音楽の基礎知識も乏しかった。従来の声楽の指導法ではうまくいかず、一方的に教える授業から、受講者とやり取りする授業へと切り替えた。難しい音楽理論も身近な言葉で説明した。当初は人気のなかった声楽の講座に、受講希望者が相次ぐようになった。これまでに教えた受講者は2万人を超える。

 より多くの人に音楽の楽しさを伝えようと、ボランティアチームも結成。これまでに100カ所以上の地域や村、高齢者施設で音楽教室を開いてきた。

九江市の文化施設で、董福順さんの声楽の授業を受ける受講者たち。(2025年8月12日撮影、九江=新華社配信)

 受講者の一人、馬雲明(ば・うんめい)さん(85)は、退職後に再び音楽への情熱を抱くようになった。董さんの教室が地域で開かれる日は、少なくとも30分前に会場に着く。「私にとって歌うことは、楽しみだけでなく、気持ちを表現し、心を通わせることでもある」と話す。

 董さんは「高齢者のみなさんが私を必要としてくれる限り、続けていきたい」と語った。(記者/朱雨諾)

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