
工場の雰囲気を残した「津一PARK」内のカフェ。(9月15日撮影、天津=新華社配信)
【新華社天津10月6日】中国天津市は近年、産業遺産を活用した文化観光の活性化を進めている。
工作機械を展示する市内の天津機床工業博物館は、国慶節連休(1~7日)期間中に体験型イベントを開催。来館者は作業服姿のスタッフに案内され、古い機械や図面の間を巡りながら設計図探しや謎解き、機械操作のシミュレーション、作業場でのミーティングなどに参加した。
博物館は半世紀以上前に設立された「天津第一機床総廠」の跡地で、閉鎖されていた工場は改修を経て一般開放され、レストランや書店が開業した。2024年と翌25年に段階的に開園した再開発地区「津一PARK」は26年8月までに累計約400万人の来場者を集め、80社以上が入居している。

かつての従業員食堂を改装した「津一PARK」内の飲食スペース。(9月23日撮影、天津=新華社配信)
和平区泰安道5号には、旧開灤鉱務局の重厚で優雅な建物がたたずんでいる。赤レンガの壁、色鮮やかなステンドグラス、高くそびえるイオニア式の柱は100年前の姿を保っている。
建物は1921年に竣工し、長く事務所として使われてきたが、2009年以降は遊休状態にあった。地元政府は歴史資産を生かしつつ、専門的な金融サービス機能を導入。地下1階に近代金融の発展の歩みを展示し、1階に会議や研修ができる空間を設け、2、3階に金融機関を誘致した。これまでに累計200回以上のイベントが開かれ、1万人近くが訪れている。

天津の旧開灤鉱務局内部。イオニア式の柱と半円アーチ形の天窓が往時の面影を残す。(8月25日撮影、天津=新華社配信)
河西区大沽南路882号の「天津空天デジタル産業パーク」はかつて通信産業の重要拠点、国営764工場だった。23年に工場が移転した後、区の既存資産活用重点プロジェクトに指定された。
工場跡にはエンボディドAI(身体性を持つ人工知能)のデータ収集、ロボットの開発・調整、商業宇宙機器の製造など最先端産業が相次いで進出し、新たな風景が生まれている。商業宇宙や低高度の空域を活用した「低空経済」などに焦点を当て、市場化運営と投資誘致を通じて遊休資産を産業拠点として再生している。
中原集団天津中原研究院の高飛(こう・ひ)院長は「産業遺産が持つ独特の空間と文化的価値は、一般的な商業空間とは異なる産業や消費体験の基盤となる。新たな機能が次々と導入され、古い建物と周辺地域、都市生活のつながりが形成される」と語った。(記者/楊文、袁宇寛)