
長春動植物公園で観光客と交流する孫悟空のキャラクター「雪餅猿」。(資料写真、長春=新華社配信)
【新華社長春10月3日】中国吉林省は国慶節の連休中、没入型文化観光が若い世代を引き付け、「休日経済」を活性化させている。従来の見るだけの観光から、双方向の体験を通じて文化や歴史に触れる新たなビジネスモデルへの転換が進む。
夕暮れ時の長春動植物公園は人であふれ返っていた。テレビドラマ「西遊記」の「五行山」に見立てた岩の下から上半身だけを出した孫悟空の演者の傍らで、観光客がお菓子を手に「餌やり」の順番待ちの列を作る。人混みからは時折、笑い声も上がる。演者の王慶峰(おう・けいほう)さんが東北地方特有のユーモアを交えて演じるこのキャラクターは、「雪餅猴」の愛称で一躍ネットの人気者となった。
慕徳俊(ぼ・とくしゅん)園長によると、長春は1986年版のドラマ「西遊記」のロケ地の一つであり、園内ではドラマの名場面をテーマにしたナイトツアーを実施し、劇中の世界に迷い込んだような体験を提供している。
長白山の麓にある恩都里街区では、「国潮の不思議な夜」をテーマにしたイベントが開催され、伝統文化とトレンドを融合させた「国潮」パレードや華麗な花火ショーなどが登場。観光客は長白山ならではのロマンチックな休日を満喫している。

9月25日、長白山華美勝地リゾート区の商業エリアを散策する観光客。(長春=新華社記者/王帆)
にぎわいを見せる同街区は、かつて8年間放置されていた未完成の不動産開発プロジェクトだった。街区の管理運営を担う長白山恩都里商業管理の担当者によると、街区は再開発を経て、現在では22万6800平方メートルの敷地に50軒以上の店舗や約500室の宿泊施設を備え、レジャーやリゾート、ビジネスの全てに対応した複合エリアへと生まれ変わった。
恩都里の再生は、吉林省の文化観光分野における既存資源の有効活用と新たな成長を引き出す取り組みの縮図といえる。同省文化・観光庁によると、省内では9月から10月にかけて秋の文化観光シリーズイベント「金色吉林」を開催。秋の自然環境や民俗文化、革命の歴史、産業遺産などの特色を生かした観光商品を充実させ、市場の消費拡大をけん引している。
金振林(きん・しんりん)副庁長は、秋のドライブ旅行向けに新ルートを開拓したほか、長春市内にある南湖公園のウオーターフロント「春嶼(しゅんしょ)」や渤海古鎮での野外劇など、18項目の新たな観光商品を開発したと紹介。没入型や「国潮」を取り入れた取り組みが若者のニーズを捉え、休日経済の盛り上げに一役買っていると述べた。(記者/王帆)