
浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)
【新華社杭州10月3日】中国浙江省徳清県で、トキの個体数が千羽を突破した。下渚湖湿地にある浙江省トキ救護保護基地を中心に進められてきた人工繁殖や野生復帰が成果を上げ、中国南方地域でのトキ個体群再建が新たな段階に入っている。
「東方の宝石」と呼ばれるトキは、世界的に希少な鳥類で、中国では国家1級重点保護野生動物に指定されている。徳清県は2008年4月、トキの生息域外での保護・繁殖を進める国の保全戦略の一環として、陝西省からつがい5組を導入。下渚湖湿地で人工繁殖を始め、中国南方地域で初となるトキの生息域外保全個体群を確立した。

トキ救護保護基地内で生まれたばかりのトキのひな。(資料写真、徳清=新華社配信)
浙江省はかつてトキの分布域の一つだった。現地では近年、漁業利用されていた場所を湿地に戻す取り組みや植生の回復などを進め、生息環境の改善を図ってきた。
同基地は浙江大学、北京林業大学、浙江農林大学などと連携し、遺伝研究や野生復帰後の個体群のモニタリング、疾病対策などを進めている。こうした取り組みにより、卵の受精率やひなの生存率も大きく向上した。

浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)
中国は1999年以降、日本に複数回トキを提供しており、トキは両国の友好交流の象徴の一つとなっている。同基地は、日本で繁殖した個体のうち中国に返還された計18羽を受け入れ、個体群の遺伝的多様性の確保につなげてきた。
徳清で繁殖したトキの他地域への野生復帰も進められている。今年6月には20羽が寧夏回族自治区の六盤山国家級自然保護区に移された。

浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)
同基地の邱国強(きゅう・こくきょう)高級工程師によると、現在、徳清の人工繁殖個体群は475羽、野外個体群は581羽で、野外個体群が全体の半数を超えている。自然下で3世代以上の繁殖も確認されている。今後も野生復帰を進め、野外個体群を再建するとともに、将来的には沿海地域での渡りの習性の回復を目指すという。(記者/商意盈、許舜達、張嘉璇)

浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)

浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)

浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)

浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)

浙江省トキ救護保護基地のトキ。(資料写真、徳清=新華社配信)

トキ保護をテーマに浙江省徳清県を訪れた新潟大学の教員と学生。(2024年9月撮影、徳清=新華社配信/王濤)