
9月29日、「火守」没入型体験空間のアート展。(上海=新華社記者/陳愛平)
【新華社上海10月2日】SF長編小説「三体」でヒューゴー賞を受賞した中国の作家、劉慈欣(りゅう・じきん)さんの物語絵本「火守(ひもり)」を基にした没入型体験スペースのオープン式典が9月29日、上海市の上海科技館で行われた。
2011年に書かれた「火守」は、劉さんが初めて手がけた物語絵本。少年サシャが病気の少女ヒオリを救うために最果ての島へ赴き、火守の老人と星を修復し、太陽に火をともす使命を受け継ぐ物語で、愛と献身、責任に対する深い思索が国内外の読者の心を捉えた。
作品は中国で絵本やオーディオブックとして発表されたほか、日本語や韓国語へも翻訳された。日本では2021年、KADOKAWAから出版された。

9月29日、「火守」没入型体験空間のアート展。(上海=新華社記者/陳愛平)
没入型体験スペースは、600平方メートル超のアート展、500平方メートル超の大型仮想現実(VR)体験エリア、ミュージアムショップからなる。アート展は1日に公開され、VR体験も15日から始まる。スペース全体の会期は2027年8月末まで。
劉さんは式典のあいさつで「SF文学は映像などのより複雑な表現の方が向いているのかもしれない」と話した。今はVRなどで想像の世界をうまく表現できるとし「以前はなかったことだ」と述べた。

9月29日、「火守」没入型体験空間のアート展。(上海=新華社記者/陳愛平)
SF作家の育成や作品プロデュースを手がける未来事務管理局(北京市)の創設者で、「火守」VR作品のプロデューサー兼監督を務めた姫少亭(き・しょうてい)さんは今回の大型VRについて、超高精細映像と音響、リアルタイムレンダリング、空間コンピューティング、第5世代移動通信システム(5G)ミリ波などの技術を導入したと紹介。来場者が空間、視覚、音響、インタラクションを通じて、作品の世界観を体感できるようにしたと語った。(記者/陳愛平)

9月29日、「火守」没入型体験空間のアート展。(上海=新華社記者/陳愛平)