
江西省景徳鎮市浮梁県勒功郷の滄渓村。(7月28日、ドローンから、景徳鎮=新華社記者/陳浚武)
【新華社南昌9月25日】中国江西省北東部の山間地域に位置する景徳鎮市浮梁県勒功郷の滄渓(そうけい)村は、一風変わった千年の歴史を持つ古村で、増水期に洪水が村を包み込んでも決して集落に水は入らず、大雨が激しく降っても家屋が浸水することはない。
同村は1700年以上の歴史を持つ。村には現在も140棟近くの明清時代の古建築と多数の歴史的遺構が残されており、2012年には第1次中国伝統村落リストに登録された。

滄渓村の民家の玄関口に掲げられた「家風・家訓」。(7月28日撮影、景徳鎮=新華社記者/陳浚武)
千年にわたり、洪水の危険にさらされながらも水害を免れてきた秘密は、足元に広がる排水システムにある。
川沿いにある家には、平均的な増水期水位よりも高く築かれた基礎がある。家の前後には、石造りの明渠(めいきょ)や暗渠(あんきょ)が地形の起伏に沿って高所から低所へと敷設されており、雨水は自然の落差により流れ下り、最終的に村の前を流れる陽春河へと注ぎ込む。
各家にも暗渠が巡っており、中庭に落ちた雨水は暗渠を通じて屋外へ排出される。地元の人は、中庭の水路にタウナギ、カメを放流しており、動物が動き回ることで水路の詰まりを防いでいる。

江西省景徳鎮市浮梁県勒功郷の滄渓村。(7月28日撮影、景徳鎮=新華社記者/陳浚武)
村内から排出された水が直接河川に流れ込むことはない。まず村内の「方塘」と村の入り口にある「半月池」に集められ、自然沈殿による浄化を経てから村外へ排出される。
村民の間には代々、裏山の樹木、植生は絶対に伐採しないという約束もあり、土砂崩れ、土石流の発生を防いできた。
滄渓村には、もう一つ他とは異なる特徴がある。各家庭の玄関口には「家風・家訓」が掲げられている。村には専門の「家風館」が設けられ、歴代の先賢による治家思想(家庭や一族の秩序を整える道徳思想)が展示されている。

川を挟んで向かい合う滄渓村の古村落と新たな居住エリア。(7月28日、ドローンから、景徳鎮=新華社記者/陳浚武)
同村党支部の鄭建新(てい・けんしん)書記は「家訓は、村が水害に見舞われないことと大いに関係がある」と語り、「もしどこかの家が排水溝の詰まりを放置したり、自分の家ばかりを優先して公共の池の泥さらいを怠ったりすれば、村全体の排水に支障をきたしてしまうからだ」と説明した。
地元ではここ数年、資金を投じて古建築の修繕、水路のしゅんせつ、道路整備を進めてきた。また、古い集落の隣に新たな居住エリアを整備して村民の移住を進めたことで、伝統的な古村落はその姿を完全にとどめたまま保存されている。(記者/陳浚武)

明の正徳15(1520)年に建造された滄渓村入口の蜚英坊。(7月28日撮影、景徳鎮=新華社記者/陳浚武)

涼みながら語らう滄渓村の村民。(7月28日撮影、景徳鎮=新華社記者/陳浚武)