シルバー経済の未来示す実践例、元大学教授夫妻の書店 中国重慶市

シルバー経済の未来示す実践例、元大学教授夫妻の書店 中国重慶市

新華社 | 2026-09-22 16:57:30

書店の公共読書スペースの壁に貼られた読者からのメッセージ。(資料写真、重慶=新華社配信)

 【新華社重慶9月22日】中国重慶市沙坪壩(さへいは)区の学園都市、重慶大学城に「序言集」という名の書店がある。元経済学教授の劉暁鳳(りゅう・ぎょうほう)さんが夫で元数学教授の孫順華(そん・じゅんか)さんと退職後に開業した。2022年春、娘について重慶に移り住んだ劉さんは、大学城でこの店舗を借り受け、夫婦が集めた蔵書5200冊を運び込み、「もうけず、ただ守る」という経営理念を掲げた。

 劉さんが本選びや本棚の整理、付箋に推薦コメントを書き、孫さんが毎月2回、黒板のおすすめ図書リストを更新する。劉さんは悩んでいる若者がいる時には、単に書籍を推薦するだけでなく、じっくりと話に耳を傾け気持ちをほぐす。仕事で挫折し、涙を流す若者に3時間ずっと寄り添ったこともあれば、自ら中卒だと語るトラック運転手が劉さんの励ましで、哲学書「絶望のきわみで」を手に取ったこともあった。また、夜間に訪れる読者の声に応え、入口ホールに二つの電灯を設置し、24時間開放の公共読書スペースを作った。ホールの壁には、「ほっと一息、自由なひと時を与えてくれるこの場所に感謝します」など、読者が残した多数のメッセージが貼られている。

書店で本を読む来店者。(資料写真、重慶=新華社配信)

 劉さんはコミュニケーションアプリ「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントでも毎日、書籍を紹介しており、自らを「本の運び屋」と語る。書店を開いたことで、自らの意識も単に本を鑑賞する側から、選書を通じて本への敬意と畏敬の念を伝える側へと変化したという。

 30平方メートルの書店は、その温かい独特の雰囲気を通じて、シルバー経済の将来のあり方を探る生き生きとした実践例を示している。知識が孤独を癒やし、生涯をかけて培った学識が公共の価値へと変わる時、高齢者は社会の問題ではなく、文明の資源となる。(記者/李華曾、尹小安)

書店を経営する劉暁鳳さんと夫の孫順華さん。(資料写真、重慶=新華社配信)

書店の内部。(資料写真、重慶=新華社配信)

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