北京の中南海で少人数会談に臨むトランプ大統領(左)と習近平主席。(5月15日撮影、北京=新華社記者/燕雁)
【新華社北京9月22日】中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席はまもなく、米国を国賓として訪問し、ワシントンでトランプ大統領と会談する。今回の訪問で、両首脳は数カ月のうちに相互訪問を実現することになる。習主席の米国への国賓訪問は2015年に次ぐ2回目となる。
世界で最も重要な2国間関係である中米関係は、ここ十数年にわたりさまざまな曲折をたどってきた。両国が関係をどう管理し、協力の余地を見いだすかは、両国だけでなく世界にとっても一段と重要な課題となっている。
北京の中南海でトランプ大統領(手前右)と言葉を交わす習近平主席(同左)。(5月15日撮影、北京=新華社記者/李響)
習主席は5月、北京を訪れたトランプ氏との会談で、「中国と米国は『トゥキュディデスのわな』を乗り越え、新たな大国関係のモデルを築くことができるか。世界的な課題に共に対応し、世界により大きな安定をもたらすことができるか。両国民の幸福と人類の将来を見据え、両国関係の明るい未来を共に築くことができるか」と三つの問いを投げかけた。
こうした問いの背景には、貿易摩擦や技術規制などを巡る中米関係の長年の曲折がある。習主席は、世界の二大国である中国と米国が適切な関係の在り方を見いだす必要があると繰り返し訴えてきた。

米フロリダ州のマール・ア・ラーゴで、トランプ米大統領の孫たちが中国民謡「茉莉花」を歌い、「三字経」と唐詩を暗唱するのに耳を傾ける習近平主席(左から2人目)と彭麗媛(ほう・れいえん)夫人(同3人目)。(2017年4月6日撮影、マール・ア・ラーゴ=新華社記者/蘭紅光)
トランプ氏の再選後、習主席は対面会談や電話などさまざまな形で連絡を取り合ってきた。5月の会談では、今後3年間とその先を見据え、中米の建設的戦略安定関係を築くとの新たな方向性で一致した。
訪中時には、習主席がトランプ氏を中南海に招き、非公開で会談した。茶を囲んだ会談で習主席は「トランプ大統領は米国を再び偉大にすることを目指しており、私は中国人民を率いて民族復興を実現することに力を尽くしている」と述べた。その上で、双方が正しい方向を堅持し、関係を乱す要因を避けながら、両国関係を安定的に発展させる必要があると強調した。

上海自由貿易区臨港新エリアにある米電気自動車(EV)大手テスラの上海ギガファクトリー。(2023年9月26日撮影、上海=新華社記者/劉穎)
習主席は25年に韓国・釜山でトランプ氏と会談した際、経済・貿易関係は中米関係の「バラスト」であり、原動力であり続けるべきで、障害や摩擦の火種になってはならないと述べた。
米国が25年に関税を大幅に引き上げた際、中国は対抗措置を取りながらも、意見の相違を管理するため米国との協議を続けた。今年5月の首脳会談までに、双方の経済・貿易チームは、全体として均衡の取れた前向きな成果を上げた。
対話はその後も続き、直近では20日、ニューヨークで協議が行われた。双方は率直かつ踏み込んだ建設的な意見交換を行った。
習主席は、トランプ氏との会談や国際会議の場で「貿易戦争に勝者はいない」と繰り返し訴えてきた。
北京市大興区亦荘の北京経済技術開発区で、来場者と対局するAI囲碁ロボット「元蘿蔔(センスロボット)」。(7月1日撮影、北京=新華社配信/馬子涵)
インド・ニューデリーで開かれたBRICS首脳会議では「デカップリング(切り離し)やサプライチェーンの分断によって中国の発展を止めることはできない。『スモールヤード・ハイフェンス』(小さな庭に高い壁を設ける=限定された先端技術の厳重管理)の政策は、自らを閉じ込め、世界を分断するだけだ」と述べた。
習主席は、中米関係の基礎を築くのは両国民だとの考えも繰り返し示している。中米関係が低迷していた時期には、とりわけ若者に目を向けた。若者こそが両国関係の未来と希望を担うとの考えからだ。
習主席は23年、米サンフランシスコで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席時、今後5年間で米国の若者5万人を中国に招き、交流や留学プログラムに参加してもらう構想を発表した。今年5月までに、当初の予定より約2年半早く目標を達成した。
こうした人的交流の重視は若い世代に限らない。習主席は1985年の初訪米時に知り合った米アイオワ州の友人らとも、その後長年にわたり交流を続けてきた。
河北省石家荘動物園のパンダ館で、パンダのぬいぐるみを手に記念撮影する中国と米国の生徒。(2024年4月21日撮影、石家荘=新華社配信/劉尊拴)
習主席はかつて「人的交流のため、より多くの橋を架け、道を開くべきだ。壁を築いたり、交流を萎縮させたりしてはならない」と述べている。
今回の訪米を前に、太平洋を挟んだもう一つの交流の物語がインターネット上で注目を集めた。
米国人教師のロナルド・サコルスキーさんは、中国で教えていた1999年、内モンゴル自治区で砂漠の緑化に取り組んでいた殷玉珍(いん・ぎょくちん)さんに5千ドルを寄付した。殷さんはこの資金を活用し、5万本を超える木からなる林を育てた。
2人は今年8月、中国で再会した。サコルスキーさんは、米国にどんなメッセージを持ち帰りたいかと問われ、「橋」と答えた。
サコルスキーさんは、近く行われる習主席とトランプ氏の会談が、この「橋」を築く後押しになると期待している。「中国は橋を再び架ける準備ができている。米国はどうか。私は準備ができていると思う」
中国内モンゴル自治区オルドス市のムウス砂漠で、殷玉珍さん(左)と植樹したロナルド・サコルスキーさん。(8月24日撮影、オルドス=新華社記者/連振)