
東京都内の図書館で、中国残留日本人をテーマにした講演を行う崔学森氏(奥左から2人目)。(2025年8月撮影、東京=新華社配信)
【新華社瀋陽9月18日】東京・大田区で8月、中国残留日本人3人の物語を紹介したパネル展が開催された。企画したのは東京に拠点を置く民間団体「中国残留邦人・在日華人研究所」。残留日本人や中国の学者らが共同で設立し、残留孤児らの追跡取材と中日友好活動を行っている。
研究所の所長を務める大連外国語大学の崔学森(さい・がくせん)教授は近年、中国と日本を頻繁に往来しながら、約300人の残留日本人への聞き取り調査を実施してきた。崔氏は「こうした声を記録するのは、戦争で真っ先に犠牲になるのは一般市民だからだ。平和がどれほど得難いものかを次の世代に伝えていきたい」と意義を強調する。

東京都内の図書館に張られた、中国残留日本人に関する講演のポスター。(2025年8月撮影、東京=新華社配信)
1945年の日本の敗戦後、多くの日本の子どもたちが中国に置き去りにされた。素朴で親切な中国の人々は、彼らに手を差し伸べ大切に育て上げた。当時の孤児の多くは既に80代以上の高齢となっており、彼らの体験は歴史を心に刻み、平和を大切にするよう世の中に訴え続けている。中日両国では、多くの学者やメディアが長年にわたって残留日本人に注目し、彼らの歩みを題材にしたドキュメンタリーの制作や関連書籍の執筆を通じて、貴重な口述資料を残してきた。
こうした歴史の記録は、日本の若者にも影響を与えている。2025年11月、中国在住の日本人監督、竹内亮さんが手がけたドキュメンタリー映画「名無しの子」が日本で公開された。竹内さんは「子どもの頃からニュースを見て残留日本人に関心を持っていた。映画を通じて彼らの物語を記録したかった」と振り返り「過去を知ることで、初めて未来を見据えることができる」と語った。
崔氏も残留日本人に関する研究や関連書籍の翻訳を精力的に進めており、「われわれの活動を通じて、より多くの人が歴史を知り、記憶にとどめることで、平和への思いを深めてほしい」と語った。(記者/武江民、崔師豪)