【新華社北京9月11日】中国江西省瑞金市から陝西省延安市へ。かつて中国工農紅軍の「長征」が始まった地と、その後の重要な拠点となった地を結ぶ高速鉄道の直通列車が6日、初めて運行された。距離は1857キロ、所要時間は11時間32分。紅軍が1年以上にわたって各地を転戦した時代とは対照的に、今では瑞金を朝に出発すれば夕方には延安に到着できる。
1934年10月、中央紅軍は瑞金を出発した。その後、湘江での激戦を経て、赤水河を4度渡り、瀘定橋を攻略するなどしながら、雪山や湿原を越えて北上。その過程では幾多の困難に直面し、多くの犠牲を出したが、長征は勝利のうちに終結した。今年はそれから90年に当たる。
現在、瑞金から延安へは、山岳地帯を縫う高速鉄道で一日で移動できる。鉄道網の整備によって、遠く離れた地域間の移動時間は大きく短縮した。こうした交通インフラの発達は、かつて革命根拠地となった各地の経済発展や人的交流を後押ししている。
革命ゆかりの地を巡る「紅色観光」やエコツーリズム、親子向けの体験学習では、より広い地域から人を呼び込めるようになった。若者が地域外へ進学したり、故郷に戻って起業したりする際の移動も便利になった。人や物資の流れが活発になることで、山間部の農産物や特産品を外部に出荷しやすくなり、地場産業の販路拡大にもつながっている。
こうした地域では、交通網だけでなく、水利施設やデジタル産業、物流などの基盤整備も進んでいる。江西省于都県では嶺下ダムが本格的な貯水を開始し、43万人分の生活用水と約200ヘクタールの農地のかんがい用水を確保できるようになった。安定した水供給は、住民の生活改善や産業発展を支えている。
革命の歴史で知られる甘粛省慶陽市では近年、デジタル産業の集積が進んでいる。東部のデータ処理需要を西部の計算能力でまかなう「東数西算」プロジェクトの関連産業パーク建設も加速し、デジタル経済の発展を後押ししている。湖北省黄岡市でも物流網の整備が進み、宅配サービスがすべての村をカバーするようになり、山間部の農産物や特産品を外部市場へ送り出しやすくなっている。
長征から90年。時代は変わり、地域の姿も一変したが、困難を乗り越えて前へ進むという長征の精神は、各地の発展に向けた取り組みに今も受け継がれている。