「ポタラ宮所蔵磁器精萃」が出版 貴重な器物が示す中国の民族交流史

「ポタラ宮所蔵磁器精萃」が出版 貴重な器物が示す中国の民族交流史

新華社 | 2026-09-09 20:34:30

3日、出版発表会の会場。(成都=新華社記者/康錦謙)

 【新華社成都9月9日】中国四川省成都市で3日、四川美術出版社が主催する「ポタラ宮所蔵磁器精萃(せいすい)・第1巻」の出版発表会が開かれた。会場には故宮博物院や江西省の景徳鎮市陶磁考古研究所、四川大学中国蔵学研究所、西蔵博物館、成都博物館、ポタラ宮管理処などから専門家や学者が出席、西蔵自治区ラサ市のポタラ宮が所蔵する磁器の歴史的価値や文化的意義を巡って学術的な検討が行われた。

 ポタラ宮管理処文物(文化財)研究室の多吉平措(ドルジェプンツォク)主任によると、今回の出版はポタラ宮が所蔵する磁器を初めて体系的・学術的に整理したもので、この分野の学術的空白を埋めるものとなった。同書は宋代、元代、明代初期の代表的な器物80点余りを厳選し、400点余りの高精細画像を収録しており、学術解説と高精細画像が相互に裏付け合う形で、歴史の脈絡を体系的に整理しているという。

3日、出版発表会で展示された「ポタラ宮所蔵磁器精萃・第1巻」。(成都=新華社記者/康錦謙)

 同氏はまた、同書で紹介された宋代の磁器7~8点はとりわけ貴重で、それらは千年前の西南ルートを中心とする陸路において、すでに漢族とチベット族の間で絶え間ない文化交流と融合が行われていたことを証明していると述べた。

 故宮博物院の馮小琦(ふう・しょうき)研究館員は発言の中で、清代の御窯廠(ぎょようしょう)が西蔵地域向けに特別に磁器を製造し、チベット式の器形と中原の製磁技術の見事な融合を実現したと紹介。これらの精巧な磁器は西蔵に伝わった後、現地の人々から至宝とみなされ、日常生活や仏事に用いられただけでなく、高原の環境に適応させるため保護用の革製カバーや金属の口金が取り付けられることも多く、雪域高原の人々が中原の器物を大切にし、現地に合わせて独自に改良したことを物語る生きた証拠となっていると説明した。(記者/康錦謙)

3日、出版発表会で展示された「ポタラ宮所蔵磁器精萃・第1巻」。(成都=新華社記者/康錦謙)

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