希少なラン科植物の野生復帰に成功 中国・雲南省瀘水市

希少なラン科植物の野生復帰に成功 中国・雲南省瀘水市

新華社 | 2026-09-08 11:06:00

瀘水市の高黎貢山西斜面で見られたパフィオペディルム・ワーディーの野生株。(8月31日撮影、昆明=新華社配信/高慶英)

 【新華社昆明9月8日】中国雲南省怒江リス族自治州瀘水(ろすい)市の高黎貢山西斜面でこのほど、人工繁殖されたパフィオペディルム・ワーディー100株余りの自生地への野生復帰が成功した。同省で個体群回復の形による同種の野生復帰が行われるのは初めて。

 パフィオペディルム・ワーディーは、ラン科パフィオペディルム属の植物で、同省とミャンマー北部にのみ分布しており、2021年に中国の「国家重点保護野生植物」に指定され、中国の生物多様性保護における重点極小個体群種で、高黎貢山の希少絶滅危惧種保護における象徴種(フラッグシップ種)の一つでもある。

瀘水市の高黎貢山西斜面でパフィオペディルム・ワーディーの野生復帰試験を行う研究者。(8月31日撮影、昆明=新華社配信/高慶英)

 同省林業・草原科学院の蔣宏(しょう・こう)高級工程師(シニアエンジニア)は、「パフィオペディルム・ワーディーの野生の自生個体群数は極めて少なく、野外の個体群はかつて100年近く姿を消していた」と説明。現在、中国で確認されているパフィオペディルム・ワーディーの野生株は千株に満たず、中核となる野生資源は怒江地域に集中して分布しており、野生復帰の実施は野外個体群を拡大し、種の効果的な保護を実現する最も直接的、効果的な手段だと語った。

 同省西部に位置する高黎貢山は、中国西南地域の生態系を守る重要な防壁で、「世界の種の遺伝子バンク」と呼ばれている。23年、高黎貢山国家級自然保護区瀘水管護分局が野外資源調査を実施した際、瀘水市の高黎貢山西斜面で野生のパフィオペディルム・ワーディーを初めて発見した。

瀘水市の高黎貢山西斜面でパフィオペディルム・ワーディーの幼苗を移植する研究者。(8月31日撮影、昆明=新華社配信/高慶英)

 調査に参加した同分局の蔣雲芳(しょう・うんほう)高級工程師は「野生のパフィオペディルム・ワーディーを発見した際、個体群の数はわずか4株だった」と語り、同種は再生能力が極めて弱く、早急に人工繁殖や野生復帰による介入を行わなければ、同個体群は消失する可能性が極めて高かったと振り返った。

 野生株への人工授粉によって種子を採取し、無菌発芽・培養技術を用い、2年にわたって課題に取り組むことで、研究チームはパフィオペディルム・ワーディーの幼苗500株余りを繁殖させることに成功し、うち100株余りを選び出して野生復帰試験の第1陣を実施した。

瀘水市の高黎貢山西斜面でパフィオペディルム・ワーディーの幼苗を移植する、同省林業・草原科学院の蔣宏(しょう・こう)高級工程師(シニアエンジニア)。(8月31日撮影、昆明=新華社配信/高慶英)

 これら「故郷に帰った」パフィオペディルム・ワーディーの追跡調査を可能にするため、研究者はすべての幼苗に番号付きタグを取り付け、「1株1ファイル」の成長記録を作成し、今後の精密な管理・保護、野生復帰後のモニタリングに向けたデータを確保していく。

瀘水市の高黎貢山西斜面でパフィオペディルム・ワーディーの幼苗を撮影する、高黎貢山国家級自然保護区瀘水管護分局の蔣雲芳(しょう・うんほう)高級工程師(シニアエンジニア)。(8月31日撮影、昆明=新華社配信/高慶英)

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