貴陽市内にあるデータセンターのサーバー室内で点検を行うスタッフ。(貴陽=新華社記者/欧東衢)
【新華社貴陽8月31日】生成AI(人工知能)によって世界的な計算力(コンピューティングパワー)競争が巻き起こる中、AIの性能が向上するほど、なぜ電力消費も増えるのかという疑問が浮上している。中国貴州省貴陽市で30日まで3日間開かれた「2026中国国際ビッグデータ産業博覧会」と併催された「第1回データセンター液冷・電力大会」ではその疑問解決の道筋が示された。答えは、チップの動作を支える電力と冷却システムにある。
現在、最先端のAIチップの消費電力は千ワットを超えている。従来のデータセンターではファンやエアコンで冷却し、1キロワット時分の計算作業を行うために、冷却用としてさらに0・3~0・5キロワット時の電力を費やしている。
同市と同省貴安新区では、2013年に第1陣となるデータセンターの建設が始まり、現在では27カ所の大規模データセンターが集積、中国トップクラスのAI計算規模を有する。そのうちの1カ所では、25年の電力消費量が4億キロワット時となっており、今後2年間で7億キロワット時にまで急増すると見込まれる。
同新区の南方能源ビッグデータセンターでは、中国南方電網傘下で同省の送電網を運営する貴州電網が今月、同省初の「コンテナ型データセンター」となる液浸冷却方式のデータセンターを完成させ、運用を開始した。40フィートコンテナの中に設置されたサーバーが特殊な冷却液に直接浸されて放熱する仕組みとなっている。
貴安新区にある通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のクラウドデータセンター。(貴陽=新華社記者/欧東衢)
コンテナ型データセンターの最良PUE(電力使用効率)は1・15以下と見込まれている。これは1キロワット時の電力消費のうち0・87キロワット時超が実際の計算処理に充てられることを意味し、中国のデータセンターの平均水準である1・34を大きく上回る性能となる。固定建築の代わりにコンテナを採用し、従来の空冷エアコンを廃止したことで、初期建設投資を従来方式に比べ40~50%削減できる。さらに、柔軟性に優れ接続すればすぐに使えるため、変電所やゼロカーボンパークなどの場所に即座に設置、運用が可能となっている。
電力供給の確保については、3月に同新区初の500キロボルト雲谷変電所が運用を開始し、200万キロワットの供給能力が新たに追加され、中核エリアの供給信頼度は99・99%に向上した。貴州電網は、変電所と計算力センター、第5世代移動通信システム(5G)基地局、太陽光発電所などの施設を統合する「7拠点一体化」を推進し、変電所を単なる「送電」の結節点から「計算力供給」の拠点へと格上げさせている。
計算力競争が電力効率競争の段階に移行する中、貴州省はエネルギーと気候面での優位性を生かし、液冷技術と算電(計算能力と電力供給)連携の両輪駆動により、発展とグリーン(環境配慮)の両立を図る特色ある道を歩んでいる。(記者/汪軍、楊欣、鄭明鴻)