旧日本軍、日本兵にもマラリア人体実験 資料で判明

旧日本軍、日本兵にもマラリア人体実験 資料で判明

新華社 | 2026-08-29 19:19:45

26日、「軍医団雑誌」に掲載された論文。(ハルビン=新華社記者/何山)

 【新華社ハルビン8月29日】中国黒竜江省ハルビン市にある侵華日軍第七三一部隊(731部隊)罪証陳列館は27日、旧日本軍が第2次世界大戦中に行った、昆虫を利用した細菌兵器の研究に関する資料を公開した。資料からは、731部隊や北京の1855部隊、日本本土の軍事医療機関が蚊やノミ、ハエなどを利用した研究を進め、日本兵を対象にマラリア感染蚊による人体実験も行っていたことが分かった。

 旧日本軍の細菌戦部隊は、ペストを媒介するノミ、コレラを媒介するハエ、マラリアを媒介する蚊などについて詳しく研究していた。731部隊と1855部隊にはいずれも昆虫班が設けられ、こうした昆虫を繁殖させ、細菌兵器の研究を進めていた。

26日、1943年1月10日に発行された「軍医団雑誌」。(ハルビン=新華社記者/何山)

 同館の金士成(きん・しせい)研究員によると、日本陸軍軍医団が1943年1月10日に発行した「軍医団雑誌」には、陸軍軍医少佐(当時)の伊熊健治による「マラリア感染蚊に依(よ)る人体接種実験」と題した論文が掲載されている。論文には、40年5~8月に千葉県の国府台陸軍病院で行われた実験の経過が記録されていた。旧日本軍は、中国でマラリアに感染した兵士の血を蚊に吸わせた後、その蚊に精神疾患で入院中の日本兵10人を吸血させた。被験者の多くにはその後、40度を超える高熱や頭痛、食欲不振などの症状が現れた。

26日、1943年1月10日に発行された「軍医団雑誌」。(ハルビン=新華社記者/何山)

 研究ではさらに、旧日本軍の複数の機関が連携して細菌兵器の研究を進めていたことも明らかになった。この実験は、731部隊長の石井四郎と、陸軍軍医学校教官で後に同部隊細菌研究部長を務めた菊地斉が指導した。技術面では、731部隊と1855部隊で昆虫班の責任者を務めた篠田統(おさむ)が重要な役割を果たした。篠田が40年に編さんした「野外昆虫検索表」は、中国東北・華北地方の主な病原体媒介蚊について、形態と特徴を詳細に調査し整理したもので、旧日本軍が実戦で利用するための基礎資料になったとされる。

26日、「軍医団雑誌」に掲載された論文の一部データ。(ハルビン=新華社記者/何山)

 伊熊の論文は、石井が戦後の調査で述べた内容とも食い違っている。石井は46年の調査で、日本では病原体を媒介する蚊への対策は必要なく、こうした実験は行っていないと説明していた。今回公開された論文は、石井の虚偽を暴くものとなった。旧日本軍による非人道的な犯罪行為には動かぬ証拠が数多くあり、否定することは許されない。

26日、「軍医団雑誌」に掲載された論文の図。(ハルビン=新華社記者/何山)

26日、「野外昆虫検索表」の複写。(ハルビン=新華社記者/何山)

26日、「野外昆虫検索表」に掲載された蚊の説明図。(ハルビン=新華社記者/何山)

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