ごみが資源に、低炭素が価値に 上海で広がる循環利用

ごみが資源に、低炭素が価値に 上海で広がる循環利用

新華社 | 2026-08-21 11:58:01

環境啓発イベントで展示された使用済みのリチウムイオン電池から再精製されたコア素材。(上海=新華社記者/王默玲)

 【新華社上海8月21日】中国上海市で14、15日両日、全国生態の日(8月15日)に合わせた環境啓発イベントが開かれ、廃棄物を新たな経済価値へと転換する環境技術や持続可能な取り組みに注目が集まった。

 会場内には、平たくつぶしたアルミの空き缶で工芸品のように仕立てたレリーフや、廃棄プラスチックを再成形したデザイン性の高いエコ文房具が登場。空のペットボトルをスマート回収装置に投入すると、スマートフォンに「カーボンポイント」が加算される仕組みなどが展示された。これまで「ごみ」とされていたものが、別の形に生まれ変わり、経済的価値を生み出し続けていることが紹介された。

環境啓発イベントで展示された生分解性の粉じんの少ない鉱物系猫砂。製鉄過程で発生する副産物の高炉スラグ微粉末にキャッサバでんぷんや植物繊維を混ぜて製造した。(上海=新華社記者/王默玲)

 中国鉄鋼大手、宝武鋼鉄集団傘下の宝武集団環境資源科技のブースでは、猫砂がペットの飼い主らの注目を集めた。同社は、製鉄過程で発生する副産物の高炉スラグ微粉末にキャッサバでんぷんや植物繊維を混ぜて、生分解性の粉じんの少ない鉱物系猫砂を製造している。

 ブースの担当者、張晨(ちょう・しん)さんによると、高炉スラグ微粉末は大口商品であり、セメントクリンカーの一部を同量で代替できる。通常は1トン当たり数十元から数百元(1元=約24円)程度だが、猫砂に配合することで、その原料価値は十数倍に跳ね上がるという。

環境啓発イベントで展示された万物新生がプロジェクトとして進めるスマート回収機。(上海=新華社記者/王默玲)

 新エネルギー車の使用済み車載電池については、別のリサイクル方法が紹介された。会場には、使用済みリチウムイオン電池から再精製されたコア材料を入れた複数のガラス容器を展示。上海市ではここ数年、車載電池のリサイクルやカスケード利用(段階的利用)を推進しており、使用済み電池を安全に放電、解体、破砕を経て資源化し、得られたコア材料を再び電池セルの生産工程に投入している。同市は昨年、新エネ車の使用済み車載電池9千トンを回収、うち6千トンをカスケード利用に回した。

 一方、都市部の生活ごみ回収分野では、「より細かな分別」そのものが一種のビジネスチャンスになりつつある。

環境啓発イベントで展示されたアルミ缶のレリーフ。(上海=新華社記者/王默玲)

 中国の中古電子機器・リユース大手、上海万物新生環保科技集団(万物新生)が進めるスマート回収プロジェクト「愛回収・返航新生」は、全国40都市に6万台以上のスマート回収機を設置。現時点で利用者数は3千万人を上回り、回収量は1日当たり平均3300トンに達する。有償回収やデジタル技術を活用した輸送、末端での精密な選別により、使い捨ての食品容器や宅配袋、発泡スチロールなどの素材ごとに細分化し、メーカーへ直接引き渡している。

環境啓発イベントで展示された、捨てられたマコモの葉で編んだ花瓶や断熱マット、帽子、籠。(上海=新華社記者/王默玲)

 上海市発展改革委員会資源節約・環境保護処の劉佳(りゅう・か)副処長は「上海市では、過去18年間に累計500億元以上を投じ、環境に配慮した低炭素型の持続可能な発展を強力に後押ししてきた」と紹介。「今後は、カーボンピークアウト(温室効果ガス排出の増加から減少への転換)を目標に据え、重点支援の方向性や範囲、方法を科学的に計画し、脱炭素と汚染削減の相乗効果を推進していきたい」と語った。

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