
店の入り口で記念撮影をする黄宇氏(左から4人目)とメンバーの高齢女性たち。(南寧=新華社配信)
【新華社南寧8月20日】中国広西チワン族自治区南寧市にあるハンドメード布小物店「奶奶的百宝箱(おばあちゃんの宝箱)」には、色とりどりの布バッグやかわいらしい形の布人形、精巧でユニークな布製チャームなど、一面にカラフルな布製品が並んでいる。店内では、5人の高齢女性が忙しく作品の整理やアイデア交換し、来店客に作品に込めた構想や工夫を情熱的に説明している。
平均年齢が60歳に近い5人は、店の経営者であるだけでなく、店内に並ぶ布作品の制作者でもある。定年退職後、黄宇(こう・う)さんが講師を務める老年大学の布工芸講座に申し込んだ5人は、学びを深めるうちに針さばきが上達し、アイデアはより多彩になり、手がけた作品が次々と積み重なっていった。ハンドメードへの情熱を強くした黄さんと5人は、講座終了後に共同で店を開きくことを思い立った。自分たちの趣味をさらに育んでいくため、自身のオリジナル作品を発表する場を作りたいと願うようになったのだ。講師と生徒が手を組んだ特色あふれるシルバー起業チームが結成され、2025年7月、彼女たちの店舗「奶奶的百宝箱」が無事オープンを迎えた。

店内に陳列されたメンバーの高齢女性の手作り布作品。(南寧=新華社配信)
メンバー最高齢の潘向華(はん・こうか)さんは幼い頃から手芸が好きで、定年後も手芸への情熱を持ち続け、布作品の創作に没頭し、新たなデザインや制作技法を模索し続けてきた。26年の午(うま)年に合わせ、心を込めてデザイン、制作した小さな馬の布製チャームは、生き生きとした姿とおめでたい意味合いから、来店客に人気となっている。潘さんは「今年64歳になるが、自分の手で作った作品が皆さんに認められ、深い満足感を覚えている」と語った。
制作過程において、5人は常にイノベーションを試み、伝統の技に新たな活力を吹き込んでいる。宋萍(そう・へい)さんは、伝統的な土布(手織りの布)と現代的要素を融合させ、リンゴの人形に髪の毛や衣装、ヘッドホンなどスタイリッシュなデザインを合わせることで、古典的な手芸に伝統の味わいとトレンド感を共存させた。莫燕(ばく・えん)さんは、ハンバーガーやスイカなど日常の要素を各種チャーム、ぬいぐるみのデザインに巧みに取り入れ、素朴な布製品に無邪気でかわいらしい魅力を加えている。

店内で「布製の子犬」を縫い上げる莫燕(ばく・えん)さん。(南寧=新華社配信)
開店以来、店には多くの市民、観光客が訪れている。客が来店するたび、曹暁軍(そう・ぎょうぐん)さん(59)は自ら歩み寄り、それぞれの作品に込められた素晴らしい意味合いを丁寧に解説する。細やかで誠実な接客により、曹さんは、莫さんとともに店公認の「トップセールスコンビ」となっている。
彭芳娜(ほう・ほうな)さん(57)は、この小さなハンドメード布小物店がメンバーの趣味や情熱を宿しているだけでなく、かけがえのない絆をさらに深める場になっていると考えており、「定年退職後も、同じ志を持つ仲間と一緒に制作に励むことができ、本当に幸せだと感じている」と話している。