【新華社北京8月19日】中国で昨年、青海省で見つかった刻石が秦代のものと確認され「尕日塘秦刻石」と命名された。これまでに確認された秦代の刻石の中で最も高い標高に位置し、しかも唯一、元の場所に残されていた。刻石に込められた文化的アイデンティティーは地域や民族の垣根を越えていたことから、各民族が崑崙(こんろん)山という文化のルーツを分かち合い、共に中華文明に属することを示す考古学的裏付けになり、「崑崙」の名が再び社会の注目を集めるきっかけにもなった。
崑崙は一つの山だが、その意味するところは単なる山にとどまらない。中華文明が生まれた時代の輝きを放ち、「天」「地」「人」に対する中華民族の古くからの思索を凝縮している。960万平方キロ余りの中国の大地の雄大かつ不屈の背骨であり、中華民族が5千年以上にわたり探し求めてきた精神のふるさとでもある。
新華社国家ハイエンドシンクタンクは19日、報告書「文明の根脈と回響-崑崙文化の歴史的淵源と精神的内包、時代的価値」を発表した。同報告は人々の視線を再び中華文明の遺伝子を受け継ぐ精神の高みである崑崙に向けさせた。
崑崙は地理上の座標にとどまらず、中華民族の精神の頂でもある。「女媧(じょか)補天」の責任感、「大禹治水」の粘り強さ、「夸父逐日(かほちくじつ)」の執念など、崑崙に由来する神話は、はるか昔より民族の中に脈々と受け継がれてきた。
われわれが崑崙を振り返るのは、古い神話に浸るためではない。中華の優れた伝統文化に秘められた時代的価値を掘り起こし、現代の文脈で新たな力を生み出すためである。
崑崙文化は今、新たな活力を放っている。全国各地、特に青海省や新疆ウイグル自治区、西蔵自治区、甘粛省などでは、創造的転換と革新的発展に立脚し、崑崙文化を広めている。
崑崙文化フォーラムは各方面の知恵を集め、時代の発展の中で古い文化の現代的価値を呼び覚ました。五つの崑崙文化観光ルートは青海、新疆、甘粛3省・自治区を結び、文化・観光融合の地域を越えた新たなブランドをつくり出した。文化サロン「崑崙を論じる」や崑崙山を回る新蔵(新疆-西蔵)天路のドライブイベントは古い文化と現代の生活を深く融合させた。崑崙神話はデジタル技術の発展の下でアニメーションやショート動画、没入型体験などの形で若者の心に入り込んでいる。崑崙山の麓や三江源(長江・黄河・瀾滄江の源流域)、豊かで多彩な精神文化生活において、重厚な文明の蓄積が中国式現代化の力強い原動力に変わりつつある。
崑崙文化を受け継ぎ、発展させ、その輝きを増していくことは、中華民族の偉大な復興の道を照らし続けるだけでなく、世界が地球規模のリスクや課題に共に立ち向かい、文明間の隔たりを解消し、協力に向けた共通認識を形成していく上で、穏やかで奥深い東方の知恵をもたらす。