2日、2026年滇池国際コーヒー文化カーニバルの会場。(昆明=新華社記者/熊軒昂)
【新華社昆明8月14日】中国では、移動式コーヒースタンドが若者の新たな起業スタイルとして、注目を集めている。雪山のふもと、砂漠のオアシス、高速道路のサービスエリアなどで営業するコーヒースタンドが増えつつある。
中国各地に、改造したキャンピングカーに簡易コーヒー設備、キャンプ用テーブルと椅子を組み合わせた移動式店舗が広がり、常設店舗のような看板はないものの、山間や湖畔に漂うコーヒーの香りが行き交う旅人を引き寄せている。
「2026年中国都市コーヒー発展報告書」によると、中国の25年のコーヒー産業規模は前年比13・3%増の3549億元(1元=約24円)に達し、1人当たりの年間消費量は23年の16・7杯から25年は28・6杯となり、3年で70%増加した。常設店と比べ、移動式コーヒースタンドは軽量で初期投資が少ない特徴から、若者が好んで起業する選択肢となった。
整備が進む交通網、豊富な自然・文化・観光資源を背景に、移動式コーヒースタンドが多くの人気観光コースに設置されている。雲南省昆明市でこのほど開催された「2026年滇池(てんち)国際コーヒー文化カーニバル」には、国内52都市から200台を超える移動式コーヒースタンドが集まり、湖岸一帯がコーヒーマーケットとして賑わった。
1日、2026年滇池国際コーヒー文化カーニバルの会場で、コーヒーを入れるタイの出展者。(昆明=新華社記者/熊軒昂)
広東省出身のコーヒー事業者、冼暁明(しょう・ぎょうめい)さんは「移動式コーヒースタンドは店舗家賃や内装費が不要。また、各地の観光イベントやマーケットへも出店できることから、少ない投資で起業でき、チャンスも大きい」と語る。書店やバー、実店舗のカフェなど多業種の経営経験を経て、最終的に旅をしながらコーヒー店を開く道を選んだ。
また、雲南産コーヒーの愛好家で、移動式コーヒースタンドを経営する桑浩勳(そう・こうくん)さんは、雲南産コーヒー豆を使ったハンドドリップコーヒーを提供している。店舗ドアに飾られたボードには、約200都市のステッカーが貼られ、ロードトリップの軌跡を物語っている。店内には、焙煎設備からコーヒーマシンまでの設備がそろい、コーヒー品質鑑定士の資格証や雲南生豆コンテストの審査員証も並び、桑さんのコーヒー起業からの経歴を垣間見ることができる。桑さんは「コーヒーは単なる飲み物ではなく、人と場所を結ぶ存在だ」と語り、雲南産コーヒーを携え、車でさまざまな都市を巡り、その魅力を全国の人々と分かち合っている。
業界関係者は、移動式コーヒースタンドがコーヒーの消費シーンを広げ、コーヒーの香りを商業地のオフィスビルから山間や湖畔、川辺へと広げ、中国の若者のライフスタイルと起業意欲を象徴していると指摘する。