
広東省恵州市の大強度重イオン加速器。(ドローンから、惠州=新華社配信)
【新華社蘭州8月10日】中国甘粛省蘭州市の中国科学院近代物理研究所は、国家重大科学技術インフラの一つとして広東省恵州市に建設された「大強度重イオン加速器(HIAF)」がこのほど、希少原子核「ハフニウム153」の検出に成功したと発表した。7月21日の試運転開始後に初めて得られた物理的成果で、総合学術誌「科学通報(Science Bulletin)」英語版に短報として発表された。
未知の核種の探索や原子核の存在限界の研究は、核物理学で重要な最前線となっている。ハフニウム153は陽子過剰な重核領域に位置し、原子核の構造変化と安定性限界を研究する上での重要な対象となっている。

広東省恵州市の大強度重イオン加速器。(ドローンから、惠州=新華社配信)
同研究所の王猛(おう・もう)研究員は、今回の実験で生成確率が極めて低いハフニウム153を検出できたのは、HIAFの複数の重要技術が協調的に発展してきたからだと説明した。
王氏は「HIAFの性能が向上していけば、実験の検出能力も約2桁向上する」との見方を示し、HIAFは未知の原子核領域の探索や新核種の発見、極限条件下での原子核の性質研究などでより重要な役割を果たすことになると語った。
HIAFは中国科学院近代物理研究所が建設した。2018年12月に着工し、2025年10月にはビームの取り出しに成功。2026年7月21日に中国科学院の技術検収に合格し、試運転段階に入った。(記者/任延昕)