花廟子村で、撮影前に高齢者の汗を拭く商洛彩虹公益センターのボランティア。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
【新華社西安8月6日】中国陝西省商洛市の山間部で、高齢者の肖像写真を無償で撮影、寄贈する活動に取り組む写真記者がいる。40代の楊鑫(よう・きん)さんだ。7月には同市山陽県法官鎮の花廟子村を訪れ、きれいに額装した写真を高齢者たちに手渡した。
村委員会の中庭には、すでに40人余りの高齢者が集まっていた。金色の装飾が施された額縁には、赤を背景にはじけるような笑顔が収められていた。72歳の丁礼鳳(てい・れいほう)さんは自分の写真を見つけると、手に取り何度もなでながら「これが私か。よく撮れているね」と喜んだ。
花廟子村で受け取った写真を手にする村民の丁礼鳳さん。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
商洛市が故郷の楊さんは、2017年に商洛彩虹公益センターを設立した。当初は、都市部への出稼ぎなどで親が不在の「留守児童」支援に取り組んでいたが、山間部の農村を訪ねるうちに、多くの高齢者が身分証明書用の写真以外には、自身の姿を撮ったものを何も持っていないことに気付いた。中には、家族が故人をしのぶための写真さえ残っていないという人もいた。
何度も山間部の村を訪れた楊さんは、自身の撮影技術を生かし、高齢者たちの肖像写真を撮り始めた。撮影から写真の仕上げ、額装まで全てを無償で行い、60歳以上の高齢者に贈っている。
撮影前に高齢者の身だしなみを整える商洛彩虹公益センターのボランティア。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
10年近く活動を続ける中で、印象に残る場面も少なくない。夫婦そろって参加する人や、撮影終了間際に手に泥がついたまま汗だくで駆けつける人もいた。撮影場所に来られない高齢者には、ボランティアとともに自宅を訪れて撮影をした。
撮影の日だけでなく、写真を受け渡しする日も、終始和やかな雰囲気に包まれている。楊さんに感謝の気持ちを伝えるために、地元の伝統演劇「秦腔(しんこう)」を披露する高齢者もいた。
17年の活動開始からこれまでに、楊さんとボランティアは市内の山村数十カ所を訪れ、約7千人の高齢者を撮影してきた。今後もさらに多くの村を訪れ、高齢者たちの人生の「最も美しい瞬間」をカメラに収め続ける。(記者/姚友明、鄒競一)
陝西省の商洛彩虹公益センターで、写真を額装する楊鑫さん(中央)とボランティア。(7月16日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
花廟子村で高齢者夫婦の写真を撮る楊鑫さん(右)。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
写真の受け取りに集まった高齢者に話をする楊鑫さん(中央左)。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
花廟子村で高齢者に写真を手渡す楊鑫さん(左端)。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
花廟子村で高齢者を撮影する楊鑫さん(右)。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
花廟子村で高齢者を撮影する楊鑫さん(右)。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
陝西省の商洛彩虹公益センターで、高齢者の肖像写真をパソコンで仕上げる楊鑫さん。(7月16日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
花廟子村で写真の受け取りを待つ高齢者たち。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)
撮影した写真を高齢者と確認する楊鑫さん(右端)。(7月8日撮影、商洛=新華社記者/鄒競一)