
ROAD1機能的対立遺伝子を保持する優良イネ品種と対照材料の圃場試験結果。(武漢=新華社配信)
【新華社武漢8月1日】中国湖北省にある華中農業大学の熊立仲(ゆう・りつちゅう)教授のチームはこのほど、イネの耐乾性に関する最新研究で、安定生産と耐乾性を両立できる「スマートスイッチ」を特定した。チームはイネ属固有の耐乾性オーファン遺伝子「ROAD1」を発見、作用機序と異種間応用の可能性も体系的に解明し、より多くの農作物を「水不足に強い」性質へと導く道を開いた。関連研究成果は7月23日、国際学術誌「セル」電子版に掲載された。
長年にわたり、作物の耐乾性改良は、成長抑制と収量低下が伴うジレンマに直面してきた。論文の責任著者である熊教授は、チームはここ数年、イネ遺伝資源240点を材料とし、農作物の正常な成長に影響を与えることなく耐乾性を高める方法についての研究を続け、イネの自然変異の中からイネ属固有の耐乾性オーファン遺伝子ROAD1を特定することに成功したと明らかにした。
作用機序として、ROAD1遺伝子がコードするタンパク質は、アブシジン酸シグナル伝達経路の負の制御因子であるOsPP2C68と結合し、SnRK2キナーゼに対するOsPP2C68の抑制作用を弱めることで、アブシジン酸のシグナル出力とイネの耐乾性応答を増強させる。十分な水分がある環境下では、ROAD1遺伝子がコードするタンパク質は極めて低いレベルに保たれ、イネの正常な成長に影響を与えないが、乾燥の脅威にさらされると大量に蓄積してOsPP2C68と結合し、イネの耐乾性を高める。
熊教授は、複数年にわたり多様な環境で実施した圃場試験によると、ROAD1の機能的対立遺伝子を導入した優良なイネ品種は乾燥条件下の収量が対照群と比べ21〜35%増加し、通常の給水条件下でも、成長、収量に対する顕著な悪影響は見られなかったと紹介。研究チームがROAD1機能的対立遺伝子をシロイヌナズナ、アブラナ、トウモロコシ、コムギ、ポプラなどの植物に導入したところ、いずれの植物でも耐乾性の向上が確認されたという。(記者/侯文坤、牛潤哲)