中国・甘粛省嘉峪関 砂漠と緑に抱かれた「天下第一雄関」 

中国・甘粛省嘉峪関 砂漠と緑に抱かれた「天下第一雄関」 

新華社 | 2026-07-15 17:27:16

嘉峪関市の嘉峪関関城。(2025年8月21日、ドローンから、蘭州=新華社配信/李巍)

 【新華社蘭州7月15日】中国甘粛省の河西回廊は西へ延び、やがて砂漠の中に消えていく。南側には祁連(きれん)山脈の雪峰がそびえ、北側には黒山の峰々が連なる。二つの山に挟まれた隘路(あいろ)に嘉峪関(かよくかん)市がある。

 上空から見下ろすと、前方にゴビ砂漠、背後にオアシスと肥沃な農地が広がる。複雑で豊かな地形が独特の都市構造を生み出した。水辺で栄え平野に向かって広がる多くの都市と異なり、嘉峪関は砂漠に隣接し、川をまたいで築かれている。

 明代の洪武年間、武将の馮勝(ふう・しょう)がこの地に万里の長城の要害、嘉峪関を築いた。以来数百年、「天下第一雄関」と呼ばれた嘉峪関はシルクロードを行き交う各民族の交易と文化交流を見守ってきた。人々はここで旅の疲れを癒やし、あるいは居を構え、万物が共生し、支え合う知恵を根付かせてきた。

嘉峪関市の嘉峪関関城。(2025年10月29日、ドローンから、蘭州=新華社記者/陳斌)

 1950年代、第1次5カ年計画の進展に伴い、交通の要衝であり、鉄鉱資源も豊富な同地に酒泉鋼鉄(集団)が設立された。大型国有企業の誕生により行政区画も整備され、最終的に嘉峪関市が誕生した。以来、全国各地から集まった建設者とその子孫が、砂漠の新興都市に根を下ろし、暮らしてきた。

 乾燥して雨が少なく、降ればすぐに乾いてしまうゴビ砂漠の築かれた都市。その緑地は一寸ごとに奮闘の歴史がある。市は80年代から数十年にわたり大規模な植林活動を続けてきた。土壌の入れ替えや点滴かんがいを重ね、植樹に参加した人の数は延べ79万人に上った。1995年に0・65%だった森林被覆率は、2025年には12・57%まで上昇した。

 長きにわたりこの地を潤してきた討頼河(とうらいが)は、工業の発展を支え、街の緑も育んできた。十数件の水質汚染対策事業が実施され、下水の精密な管理が進み、調節用のダムや貯水池が次々と完成し、水生態系の修復が続いた。需要が少ない時期に貯水し、需要が高まれば街を潤し、水を市街地に引き込んで緑を育てる仕組みを実現させた。

嘉峪関市の「長城第一墩(とん)」と討頼河大峡谷。(2025年10月29日、ドローンから、蘭州=新華社記者/陳斌)

 嘉峪関の街は随所に緑があふれている。討頼河沿いの遊歩道は緑の帯のように街を巡り、清らかな流れが美しい景観をつくっている。緑が街の基調になる中、文化・観光産業も活気を帯びている。

 2025年に同市を訪れた観光客数は延べ1487万6800人と前年より22%増加した。世界各地からの観光客が黒山で岩絵を観賞し、活気あふれる夜市で1500年以上前の製法で焼かれた肉に舌鼓を打つ。関城の古い石畳を踏みしめれば、シルクロードの時代に戻ったかのような感覚を味わえる。

 長い歳月を経た雄関は、緑と水に囲まれ、活気に満ちた新たな年月を歩み続けている。

嘉峪関市の風景。(2025年6月26日、ドローンから、蘭州=新華社配信/李巍)

嘉峪関市の懸壁(けんべき)長城。(2025年10月29日、ドローンから、蘭州=新華社記者/陳斌)

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