陝西省西安市の西安国際港駅を出発し、アゼルバイジャンの首都バクーへ向かう「中欧班列」。(2025年11月17日、ドローンから、西安=新華社記者/邵瑞)
【新華社西安7月5日】中国陝西省西安市の西安国際港駅は、国内と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の駅の中で最大の規模を持つ。運行本数や貨物輸送量、実入りコンテナ率などの主要指標は8年連続全国一で、同駅を出発する中欧班列はユーラシア大陸を横断し、26カ国200以上の都市の経済と貿易を密接に結び付けている。
中欧班列の積み荷は、太陽光発電モジュールや自動車部品、スマート電子機器、新エネルギー車など高付加価値製品の占める割合がますます高まっている。欧州や中央アジアからの復路便は小麦や菜種、酒類、乳製品、化粧品、アクセサリー、かばんなどを満載し、中国の消費者に多様な選択肢をもたらしている。
西安国際港駅に隣接する穀物・食用油メーカー、西安愛菊糧油工業集団。社員食堂は地元の小麦粉料理が人気だが、粉はカザフスタン産の小麦をひいている。
西安滻灞国際港の愛菊農産品物流加工パークに到着したカザフスタンからの中欧班列。(2025年1月10日、ドローンから、西安=新華社記者/李一博)
小麦の栽培は西アジアのチグリス・ユーフラテス川流域とその周辺で始まった。カザフスタン北部の黒土、十分な日照、昼夜の気温差は香り豊かなで高タンパクな小麦を育む。小麦は数千年前、中央アジアを経由して中国に伝わった。そして今、ユーラシア大陸を疾走する中欧班列が中央アジア産の良質な小麦を再び中国に届けている。
西安愛菊糧油工業集団の劉東萌(りゅう・とうほう)副総経理は、ここ数年はカザフスタンで契約栽培を試み、現地の大規模農家と共同で小麦を栽培して買い付けていると紹介。作付面積を当初の30万ムー(200平方キロ)から150万ムー(千平方キロ)に拡大したほか、現地に飼料や油糧、小麦粉の生産拠点を設け、約300人の雇用も生み出したという。
アゼルバイジャンのバクーに向けて西安国際港駅を出発する中欧班列「X9043次」。(2025年8月13日撮影、西安=新華社配信)
中欧班列は、さらに多くの国に新たな発展の機会をもたらしている。モロッコ出身のアリ・ラハレさんは今年1月、西安で会社を登記した。西安を発着する中欧班列を活用し、オランダのアムステルダムにいる妹とアパレル貿易を展開する計画で「『一帯一路』共同建設のおかげで事業への自信が深まった」と語った。
陝西省咸陽市楊陵区の楊凌農業ハイテク産業モデル区にある上海協力機構(SCO)生活館には、中欧班列が運んだ外国製品が所狭しと並んでいる。モデル区管理委員会の傘下企業、楊凌現代農業国際合作集団でウズベキスタン事業の責任者を務める陳兵(ちん・へい)さんによると、モデル区がウズベキスタンと共同で同国に建設している農業ハイテク工業パークは、製品を中国に送るだけでなく、中央アジアや欧州へも出荷し、現地の経済成長をけん引していく。
中欧班列の累計運行本数は13万本、輸送貨物の総額は5200億ドル(1ドル=約161円)を超える。2016年に1702本だった年間運行本数も25年は2万22本とこの10年で急増した。(記者/姚友明)