「七一勲章」受章の趙亜夫さん 農村で技術指導、定年後は有機農業推進

「七一勲章」受章の趙亜夫さん 農村で技術指導、定年後は有機農業推進

新華社 | 2026-07-02 22:48:15

江蘇省鎮江市天王鎮の高効率施肥技術推進区で、稲の生育状況を確認する趙亜夫さん(左)と助手の王忠立(おう・ちゅうりつ)さん。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

 【新華社南京7月2日】中国共産党の最高栄誉「七一勲章」の受章者に、60年以上にわたり農村で技術指導を続けてきた農業技術者の趙亜夫(ちょう・あふ)さんが名を連ねた。85歳になった今も江蘇省鎮江市の戴荘村で田に入り、農薬や化学肥料に頼らない稲の生育を見守っている。

 1941年に江蘇省で生まれた趙さんは、61年に同省の宜興農林学院を卒業後、鎮江市農業科学研究所に配属された。当時の農村の貧しさと立ち遅れを目の当たりにし、農業振興を通じて国に貢献したいとの志を抱いた。その後は武進、丹陽、宜興などで農家への技術指導に当たった。

江蘇省鎮江市の白兎鎮で、農家にイチゴの栽培方法を指導する趙亜夫さん(右)。(1991年撮影、南京=新華社配信)

 82年には日本に留学し、帰国時に原種のイチゴ苗を持ち帰った。繁殖に成功した苗は鎮江市の白兎鎮に導入され、栽培が広がった。趙さんは農家に苗作りや施肥、病害防除を一つ一つ指導し、1年目の試験栽培では1ムー(約667平方メートル)当たりの収入が2千元(1元=約24円)を超えた。

江蘇省鎮江市白兎鎮で、イチゴ苗の生育状況を確認する趙亜夫さん。(2019年3月14日撮影、南京=新華社配信/楊政)

 2001年に定年を迎えた趙さんは、自ら志願して鎮江で最も辺ぴな地域にある戴荘村に赴いた。当時、村民1人当たりの年間収入は3千元に満たなかった。趙さんは合作社(協同組合)設立を主導し、党員が率先して有機栽培の桃の試作に取り組むよう促した。初年度に出荷した桃は、通常の3倍の価格で取引された。

江蘇省鎮江市の戴荘有機農業専業合作社で、桃の生育状況について話す趙亜夫さん。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

 趙さんが戴荘村で築いた農業振興モデルは、生物多様性を生かした有機農業を柱とする。趙さんの提唱により、同村の水田では20年にわたり、農薬や化学肥料を使わない管理が続けられている。水田で観察された小動物は150種、鳥類は98種に上るという。

 村では、収穫した米で酒を造り、酒かすを黒豚の飼料に利用する。黒豚のふんは堆肥として桃畑に還元される。果樹園ではニワトリやアヒル、ガチョウが放し飼いにされ、虫や草、落ちた果実を食べ、ふんも土壌の養分となる。村内の農場では、こうした循環型の栽培・飼育が一定の規模で行われている。

江蘇省鎮江市天王鎮の高効率施肥技術推進区で、稲の生育状況について話す趙亜夫さん(左)と助手の王忠立さん。(6月4日撮影、南京=新華社記者/李博)

 趙さんが設立を主導した有機農業合作社は、基層党組織の指導の下、農家に一体的な支援を行っている。村内866戸のうち812戸が土地を出資する形で参加し、戴荘村は今や全国に知られる「有機農業の村」となった。25年の村民1人当たりの年間収入は4万7千元を超えた。

 18年には趙さんが総顧問を務める「亜夫チーム工作室」が設立され、これまでに農村の科学技術人材1200人を育成した。20年には江蘇省農業科学院が、趙さんの経験を生かした農業技術サービス体制の整備を始め、省内各地に科学技術特派員を派遣し、活動拠点を設けている。

江蘇省鎮江市天王鎮の高効率施肥技術推進区で、揚州大学商学院の教員と学生に有機農業について説明する趙亜夫さん(中央)。(6月4日撮影、南京=新華社記者/李博)

江蘇省鎮江市天王鎮の高効率施肥技術推進区で、揚州大学商学院の教員と学生に有機農業について説明する趙亜夫さん(前列右)。(6月4日撮影、南京=新華社記者/李博)

江蘇省鎮江市天王鎮の高効率施肥技術推進区で、稲の生育状況を確認する趙亜夫さん(左)と助手の王忠立さん。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

江蘇省鎮江市の戴荘有機農業専業合作社の桃畑で、農家の彭玉洪(ほう・ぎょくこう)さんと桃の生育状況について話す趙亜夫さん(左)。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

江蘇省鎮江市の戴荘有機農業専業合作社で、農家の彭玉洪さんと桃の生育状況について話す趙亜夫さん(中央)。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

江蘇省鎮江市戴荘村で、農家に苗の育て方を指導する趙亜夫さん(左から2人目)。(2013年5月15日撮影、南京=新華社配信/楊政)

江蘇省鎮江市の戴荘有機農業専業合作社で、農家の彭玉洪さんと桃の生育状況について話す趙亜夫さん(中央)。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

江蘇省鎮江市の戴荘有機農業専業合作社で、地元の農家や販売業者と桃の販売状況について話す趙亜夫さん(左)。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

江蘇省鎮江市の戴荘有機農業専業合作社の桃畑で撮影に応じる趙亜夫さん。(6月12日撮影、南京=新華社記者/李博)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。