
【新華社東京6月28日】円相場は対ドルで一時1ドル=161円93銭まで下落し、1986年12月以来の最安値に迫った。米国の利上げ観測が強まる中、日米の金利差を背景とした円安圧力が続いている。
米国では雇用の堅調さやインフレの鈍化ペースの遅れを背景に、連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測が高まっている。一方、日本銀行は長年続いた大規模金融緩和政策を終了し、政策金利を1・0%に引き上げたものの、今後の利上げペースは米国より緩やかになるとの見方が大勢を占めている。
こうした日米の金融政策の方向性の違いから金利差拡大が意識され、円安圧力は当面続くとの見方が広がっている。
円安はこれまで、日本の経済成長をけん引する重要な要因と見なされてきた。日本政府や経済界にも適度な円安を評価する見方があった。しかし日本経済はエネルギーや食料、原材料の輸入依存度が高い構造にあり、近年の海外生産移転の進展も加わって、円安のメリットは縮小している。
みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、円安の利益はグローバル企業に集中する一方で、中小企業や家計は輸入コスト上昇の影響をより大きく受けると指摘する。
円相場が重要な節目に近づくにつれ、日本政府による為替安定化への対応圧力は強まっている。ただし市場では、為替介入による円安抑制効果は限定的との見方が一般的で、日米による協調介入の見通しについても慎重な見方が続いている。
ソニーフィナンシャルグループの尾河眞樹チーフアナリストは、ドル高が続く状況下では介入の実効性は低く、為替トレンドを反転させるのは難しいと指摘している。
日米の金融政策の方向性の違いが続く限り、円安圧力は解消しにくいとの見方が広がっており、日本の為替政策は厳しい対応を迫られる局面が続いている。今回の円安は、日本の為替安定化能力を試すとともに、その経済成長モデルや財政制約、政策調整の余地が直面する根深い課題も浮き彫りにしている。(記者/李詩萌、藍建中)