【新華社東京6月22日】日本の有識者からなる「中国文化財返還運動を進める会」は20日、東京でシンポジウムを開き、日本政府に対して侵略の歴史を直視し、戦争中に中国から略奪した文化財を返還するよう呼びかけた。
会議では複数の会員から、戦時中に持ち込まれて今も現存する文化財の多くを政府は来歴不明としているが、中国の芸術様式が明確なものも少なくないとの意見が出され、当時の戦争や対外的侵略という背景を踏まえれば合法的なルートで持ち込まれたかは疑わしいとの見方が示された。
進める会によると、現在は唐代の石碑「鴻臚井碑(こうろせいひ)」などの文化財の中国への返還を政府に働きかけている。
東京都歴史教育者協議会の東海林次男副会長は新華社の取材に対し、欧州の一部の国はここ数年、植民地支配や侵略への反省から文化財返還を進めているが、日本社会にはそのような認識がまだ十分に浸透していないと指摘。「日本は歴史を直視し、かつての過ちを認め、反省に基づいて文化財返還を進めるべきだ」と述べた。
進める会の五十嵐彰共同代表は、文化財の返還は単に特定の文化財を返還する、しないの問題でなく、日本が自国の近代史を改めて見つめ直す重要な契機になると指摘。「ある意味、おぞましいものと考えている。持っていること自体が日本のためにならない」とし、重要なのは日本の社会がそれをどこまで認識できるかだと語った。
714年に建立された鴻臚井碑には、唐の勅使が東北部の少数民族「靺鞨(まっかつ)」の首長を冊封したことが記されている。同地域が唐王朝の支配下にあったことを示す重要な歴史的物証とされるが、日本の旅順鎮守府が1908年4月末までに石碑と解体した碑亭を不法に日本へ運んだ。
進める会は、日本による中国文化財返還の促進、日中間の「歴史的和解」の実現を通じて両国関係の発展を図ることを設立の目的としている。(記者/李林欣、李子越)