中国の研究者、トウモロコシの失われた遺伝子を野生種から発見

中国の研究者、トウモロコシの失われた遺伝子を野生種から発見

新華社 | 2026-06-07 21:05:01

2日、中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターで行われた研究成果の記者発表会。(上海=新華社記者/金立旺)

 【新華社上海6月7日】中国科学院は、国内の研究チームがトウモロコシのタンパク質含有量を高める新たな遺伝子「THP3-T」を野生種からクローン化することに成功したと発表した。既に発見されている遺伝子と組み合わせることで、主要栽培品種のタンパク質含有率を大幅に高められるという。

 中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの巫永睿(ふ・えいえい)、王海海(おう・かいかい)両氏が、上海師範大学の王文琴(おう・ぶんきん)氏、四川農業大学の黄永財(こう・えいざい)氏と長年にわたり共同研究を行い、研究成果を3日、国際学術誌ネイチャー電子版に発表した。

2日、中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの記者発表会で、研究成果を説明する同センターの巫永睿研究員。(上海=新華社記者/金立旺)

 研究者によると、野生のトウモロコシはタンパク質の含有率が最大30%に達するが、9千年以上の栽培と現代育種の過程でタンパク質を高める選抜が行われなかったため、現代品種では関連する遺伝子の大半が失われたという。

 研究チームは2022年にトウモロコシのタンパク質含有量を高める遺伝子「THP9-T」のクローン化に成功。今回はパズルの重要なピースを埋める発見となった。二つの遺伝子はそれぞれが窒素代謝で中心的役割を担う酵素の産生に関わり、組み合わせると強力な相乗効果が生まれる。自殖系統のタンパク質含有率を10%から15%に向上させるほか、中国で最も普及している交雑品種「鄭単958」のタンパク質含有率を実で8・5%から12~13%、株全体で7%から9%以上に引き上げ、収量も安定を保つことができる。

2日、上海市松江区にある中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの農場で、改良したトウモロコシに授粉する同センターの巫永睿研究員。(上海=新華社記者/金立旺)

 研究チームは、DNAマーカーを目印とした育種技術を用いて既に国内主要品種の親系統を80系統以上改良。今後は有用遺伝子の特定から新たな遺伝資源の創出、飼料の製品化までを一貫して手掛ける事業モデルの構築を目指す。

2日、上海市松江区にある中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの農場で、改良したトウモロコシに授粉する四川農業大学の黄永財教授。(上海=新華社記者/金立旺)

2日、中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの実験室で、トウモロコシのサンプルを処理する研究者。(上海=新華社記者/金立旺)

2日、中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの実験室で、トウモロコシのサンプルからDNAを抽出する研究者。(上海=新華社記者/金立旺)

2日、中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの実験室で、トウモロコシのサンプルを処理する研究者。(上海=新華社記者/金立旺)

2日、上海市松江区にある中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの農場で撮影に応じる(左から)同センターの王海海、巫永睿両研究員、四川農業大学の黄永財教授。(上海=新華社記者/金立旺)

2日、上海市松江区にある中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの農場で、改良したトウモロコシに授粉する同センターの王海海研究員。(上海=新華社記者/金立旺)

2日、上海市松江区にある中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの農場で、改良したトウモロコシに授粉する研究者。(上海=新華社記者/金立旺)

2日、中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターの記者発表会に展示されたトウモロコシのサンプル。(上海=新華社記者/金立旺)

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