国際観察:フィリピンとの連携加速 日本の思惑とは

国際観察:フィリピンとの連携加速 日本の思惑とは

新華社 | 2026-05-31 15:07:15

東京の国会議事堂。(1月19日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)

 【新華社東京5月31日】日本の高市早苗首相は28日夜、来日したフィリピンのマルコス大統領と会談した。両国は軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結に向けた交渉開始と、日比関係の「包括的・戦略的パートナーシップ」への格上げに合意した。

 日本がフィリピンと安全保障面での連携を強化し、「小グループ」外交を加速させている背景には、地域での軍事的影響力拡大に加え、戦後体制からの脱却と軍備増強の野心があり、地域の安全保障にリスクをもたらすとアナリストは指摘する。

 日本とフィリピンはここ数年、安全保障分野で活発な動きを見せ、「準同盟化」の傾向を示している。今年の米比合同演習「バリカタン」で日本は初めて多くの戦闘部隊を派遣し、フィリピン国内で88式地対艦ミサイルを発射した。日本がフィリピンを足がかりに戦後の制約を打破し、自衛隊の海外活動を拡大しようとする新たな動きと指摘する分析もある。

マニラで行われた米比合同演習に反対する集会で、外国軍隊追放を呼びかける市民。(4月20日撮影、マニラ=新華社配信)

 直接的な軍事協力のほかにも、日本は援助の枠組みを通じてフィリピンとの戦略的連携を強めている。日本は「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を通じて3年連続でフィリピンに防衛装備品を無償提供しており、2026年度も継続が見込まれる。世論の一部には、日本が安全保障援助を通じてフィリピンへの影響力を強め、自国の防衛産業のために海外市場を開拓しようとしているとの見方がある。

 遼寧大学日本研究センター(遼寧省瀋陽市)の陳洋(ちん・よう)客員研究員は、日本がフィリピンとの連携を強め、武器輸出を拡大しているのは、武器輸出を定着化させて経済的利益を図るだけでなく、フィリピンと結託して地域の安全をかき乱し、いわゆる「外部の脅威」というナラティブ(物語)を作り出し、高市政権が進める軍備増強や憲法改正の条件を整えようとする意図があると指摘した。

 フィリピン大統領の来日も含め、最近の日本は外交活動を活発化させている。高市氏自身がベトナム、オーストラリア、韓国を訪問したほか、複数の閣僚が東南アジア、欧州、アフリカなどを訪れている。

 日本の元外務官僚、孫崎享氏は、高市政権の最近の活発な外交活動は「小グループ」を目指すものだが、地域諸国は陣営選択を望んでおらず、現段階で実質的な成果を上げていないと指摘。拓殖大学の富坂聡教授は、現在の日本の外交行動は陣営対立の論理を色濃く反映しているが、二元対立的思考は現実世界とかけ離れていると述べた。

 高市政権の外交・安全保障政策は、社会や国民生活を悪化させているとして国内でも批判を浴びている。元経産省官僚の古賀茂明氏は、高市政権はいわゆる「戦後最も厳しい安全保障環境」を理由に軍事費を拡大し続けているが、国の借金が膨らみ、社会保障負担が増大し続ける中での軍事費の継続的な拡大は、教育や医療などの支出を圧迫するばかりか、財政不均衡と経済停滞を招き、自らを苦境に追い込むことになりかねないと語った。

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