29日、江蘇省南京市の侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館で、東京裁判に関する展示を見る国内外の専門家や学者。(南京=新華社記者/李博)
【新華社上海5月31日】極東国際軍事裁判(東京裁判)は80年が過ぎた今も価値を失っていない。侵略戦争が美化され、戦争責任が転嫁され、歴史的事実が曖昧にされようとするたびに、歴史の真実、国際正義、平和秩序を測る物差しとなってきた。
中国上海市で28日に開かれた東京裁判開廷80周年シンポジウムでは、中国や日本、韓国、ロシアなどから出席した専門家・学者数十人が歴史や国際関係、国際法などの視点から活発な議論を交わし、東京裁判を振り返る意義について新たな考察を加えた。
「東京裁判の法的根拠をおとしめることは許されない」。上海交通大学東京裁判研究センターの程兆奇(てい・ちょうき)主任は、東京裁判はニュルンベルク裁判と共に戦後の国際秩序の重要な礎をなしていると指摘。いわゆる「事後法」「勝者の裁き」が裁判の正当性を疑う根拠になることはないとし、これらの主張は日本の右翼勢力が侵略の歴史を隠し、戦争責任を否定するための口実にすぎず、軍事大国への道を妨げる障害を取り払う役割を担っているとの考えを示した。
日本の市民団体「村山首相談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長は日本の戦後責任と国際的信用の観点から、世界に対して東京裁判を受け入れた日本がいまさら異議を唱えれば、国際社会の信頼を得ることはできないと強調。条約の順守と誠実な履行は国際社会で生きていく上で最低限守らなければいけないことだと述べた。
東京・市ヶ谷記念館に再現された東京裁判の法廷。(3月5日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
東京裁判は、国際法の側面から第2次世界大戦時の日本の植民地支配と侵略の違法性を確認し、多くの国の人々が受けた戦争の痛みを国際法の視野に取り込み、国や時代を超えた正義の共通認識を形成した。
マレーシア・中国友好協会会長で元マレーシア駐中国大使のアブドゥル・マジド・アフマド・カーン氏は、政治指導者や軍事指導者は国家権力の下で行った行為に対しても個人として責任を負わねばならないという理念について、国際法の重要な進歩を示していると指摘した。
中国社会科学院法学研究所の徐持(じょ・じ)副研究員は、東京裁判の対象範囲は東アジアと東南アジアのほぼ全域に及ぶとし、日本のアジアでの戦争は侵略戦争であり、残虐行為は「戦争の悲劇」ではなく追及されるべき犯罪であることを裁判は法的に確認したと述べた。
国際刑事法を研究するドイツの財団、国際ニュルンベルク原則アカデミーのビビアーネ・ディットリヒ副院長は「東京裁判の開廷から80年となる今こそ、国際社会は多国間主義への信頼を取り戻す必要がある。共に国際刑事法の強化を図り、国際法秩序を制度的に形成する方法を考える必要がある」と指摘。「法の正義は強権や武力に勝るという信念は世代を超えて追求し続けなければならない」と強調した。
出席者らは、現在の日本の右翼勢力が誤った歴史観を広め、頻繁に戦犯を参拝し、平和憲法の改正を進め、軍備増強と戦争準備、核保有の動きを加速させているとし、これらの誤った言動は東京裁判で明らかにされた軍国主義による戦争の準備や発動の過程と軌を一にしていると懸念を表明。国際社会は警戒を高め、「新型軍国主義」が勢力を拡大しないよう共に防ぎ、戦争の悲劇が繰り返されるのを断固として阻止しなければならないとの認識を示した。
世界情勢が変動する中、日本は再び運命の岐路に立ち、選択を迫られているが、答えは東京裁判の判決に記されている。北京師範大学法学院の廖詩評(りょう・しひょう)教授は、日本は当時の法廷の動かぬ証拠を直視し、当時の平和の契約を順守することでのみ、真に歴史の影から抜け出し、アジアさらには世界から完全に受け入れられる堂々たる文明国となり、国際秩序の中でより重要な役割を果たすことが可能になると語った。