
【新華社東京5月28日】日本の高市早苗首相の選挙陣営による「中傷動画問題」が波紋を広げている。
日本メディアの報道によると、高市氏の側近秘書が民間人に指示し、昨年の自民党総裁選や今年の衆院選の期間中、対立候補を中傷する動画を作成し、拡散させていた。総裁選で最大のライバルだった小泉進次郎氏を「無能」「世襲の操り人形」と批判したほか、国会で高市氏の「台湾有事」をめぐる答弁をただした立憲民主党の岡田克也氏について「息を吐くように嘘をつく」などと攻撃する内容も含まれていた。
高市氏は当初、「週刊誌より秘書を信じる」と述べ、関与を否定していた。しかし、動画制作側が秘書とのショートメールや通信アプリでのやり取りを相次いで公開すると、一転して、自分は全く知らなかったと主張するようになった。
だが別の関係者によると、この秘書は長年にわたり高市氏の側近として行動を共にしてきたという。さらに、高市氏側の内部ルールでは、秘書が独断で動くことは認められていなかったとされる。選挙は政治家にとって最重要の活動の一つであり、「知らなかった」とする説明に疑問の声も上がっている。
高市陣営の節度を失った姿勢は、日本の外交政策への懸念を呼んでいる。
日本政府は現在、安保3文書の改定を進めており、その中では「認知戦」の強化が重視されている。日本が「認知戦」と呼ぶものには、特定国に対する否定的な情報発信も含まれるとみられる。
また、高市政権による最近の自衛隊の組織改編では、「情報作戦隊」が新設された。防衛省は、同部隊が「認知戦」に関わる任務を担うとしている。だが一連の動きを踏まえれば、防衛省や自衛隊に有利な世論形成や、特定国への敵対感情の拡大、反戦世論の弱体化へとつながるのではないかとの懸念も生じる。
沖縄・辺野古の米軍基地建設現場付近で発生した沈没事故を巡り、日本政府や右翼メディアが反戦・平和教育活動を問題視したことは、「反戦運動の弱体化」を狙った典型的な事例と言える。
日本での排外主義的なポピュリズム勢力が台頭している背景にも、外国や外国人への中傷的な言説がある。こうした上からの戦略的な情報発信が、下からの排外的熱狂と結びつくことで、日本社会の対外認識をゆがめ、在日外国人の心理的な安心感を損ねている。